産経、改憲に突っ走る。
【欠陥憲法】(2)国民の平安祈る存在明記を+(1/3ページ) - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120501/plc12050113320023-n1.htm
第1回の「戦車にウィンカー」記事*1が4月29日、第2回と第3回が今日5月1日にまとめて配信と、どう考えても配信を忘れてたとしか思えません。内容の方も、みごとに恥ずかしいものになっています。
この記事は、天皇が「祈りを捧げる」存在だということを強調しています(これも一部の人たちが好む言い方です)。特に今上が、国民と共に歩まれんとされているお姿にわたしは深い敬意を抱きますが、それは制度上の問題とは切り離して考えるべきでしょう。政教分離の後退につなげるのならもってのほかです。この記事の政教分離への言及もおかしくて、元首であることを強調するなら昭和天皇の大喪の礼における宗教色の排除は当然というべきで、なんの論拠にもなっていません。
現憲法でも、天皇という機関のサインとはんこ(御名御璽)がなければ国会も開けないのですから、形式的な存在とはいえ元首であることは誰の目にも明らかだと思います。なぜ学説が分かれているのかが不思議ですし、なぜ明記にこだわる人がいるのかも理解できません。
最後は八木秀次・高崎経済大学教授が登場して、「祈る天皇」をそのままの形で憲法に位置づけるべきだと説いています。逆に言えば、憲法によって祈ることを強要されるとしたら、「祈り」の価値はなんなのでしょう。ここにも政教分離、内心の自由の問題が出てきます。まあ、さすが八木氏とみるべきでしょうか。
そろそろネタばらしをしてもいいと思うので書いておくと、安藤慶太記者の記事でした。うーん、なんて豪華な組み合わせ。
【欠陥憲法】(3)不明確な国籍条項 外国人に参政権を付与できるのか+(1/3ページ) - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120501/plc12050113310022-n1.htm
あいかわらずの外国ニンジン政権、もとい外国人参政権問題です。田中靖人記者による記事。素直に条文を読めば、「参政権は国民固有の(奪われない)権利」「地方自治は住民が参政権を持つ」であって、条文として矛盾するものではないし、憲法の欠陥としてあげつらう方がどうかしています。例の、最高裁判決で永住外国人地方参政権を認めた部分は「傍論だから」という暴論が、またぞろ顔を出しています。この件については言い尽くされているし、そもそも憲法自体の問題ではないはずなのですが、意図不明の記事です。
新憲法制定議員同盟 憲法は災害復興面でも「重大な欠陥」 決議採択 - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120501/plc12050120420026-n1.htm
一般ニュース。なんだか次から次へといろんな団体が現れては、同じような改憲案を言い立てるわけですが、こんなんでいざ本番の改正となったとき、意見がまとまるんでしょうかね。提出側の自壊でなにもできませんでした、なんてオチになったら、これは本当に大笑いなのですが。