黙然日記(廃墟)

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産経抄、ボケをかます。他。

 当ブログは本日より、産経ウォッチをやめて政治ウォッチブログへと衣替えを(……半端なネタはやめましょう)。

産経抄】4月1日 - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/life/news/120401/edc12040103100000-n1.htm

 一昨日、月刊「正論」から産経新聞本紙へと格上げされた記事*1を、今日は一面コラムまで昇格させてしまいました。「マッカーサーが議会で『日本は自衛戦争した』と発言した」という、例のアレです。既に各方面から「誤訳捏造じゃねーか」とdisられてる代物なのですが、堂々と。あのね、エイプリルフールってのは、なんでもネタをやればいいってもんじゃないんですよ。まあ、マッカーサーの『自衛戦争』発言」ってのは真っ赤な嘘ですが、東京都の教材に採用されたというのが本当なら(これも手の込んだエイプリルフールネタであってほしいと思いますが)、ゆゆしき事態ではあります。ネットだけでなく、メディアを含めたリアルから指摘があってしかるべきだと思いますが。

「【軍事情勢】中国の「懸念」は日本の理想」:イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/china/553881/

 のぐっちこと野口裕之九州総局長です。上の「産経抄」について書いたあと読んだら、冒頭いきなり、《加害者が“被害者”を装うのはミステリー小説の定番だが、国際社会でもエセ被害者が跋扈する》とあるので、笑ってしまいました。もちろん、産経周辺、特に野口記者ら、日本の歴史修正主義者による主張は、国際社会で通用などしていないのですが、加害者が「自衛戦争だ、証拠もある」とわめく姿は、エセ被害者そのものです。
 《専守防衛を自称する国の方が、むしろ奇観だ》としていますが、その根拠が、野口記者自身が英国で「専守防衛」を説明できなかった、という恥辱体験です。"defense only"というのは、そんなに難しい英語でしょうか。わたしは軍事記者ではないので調べきれませんが、軍の目的を「外敵の侵略からの防衛」に限っている国というのは、そんなに少ないのでしょうか。むしろ一般的ではないかという気がします。
 さらに専守防衛について、敵を国土に引きつけて国民の生命財産を犠牲にしつつ本土決戦する危険な思想だ、と言っているのですが、これは本気なのでしょうか。裏返せば、他国民の生命財産なら犠牲にして良いから攻め込め、ということになりますが、それをしないことこそが先の大戦への反省でした。「先の大戦への反省」そのものを野口記者は否定しているので、これは本気なのかもしれません。
 《中国は過去23年間、1989年を除き、2桁で軍事費を増やしている》という、意味不明の文章もあります。1989年を除いたら22年間じゃないのか。「2桁で増やす」って、なにが2桁なんだ。
 まあ全体にこんな調子で、「中国が警戒するからもっと軍拡しろ」というのが結論です。発想が子供の喧嘩レベルですね。