黙然日記(廃墟)

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産経のダメな記事に慣れる。他。

【土・日曜日に書く】政治部・阿比留瑠比 ダメな政治に慣れるより - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120325/plc12032503270003-n1.htm

 野田佳彦政権はダメ、というか民主党政権はダメ、と連呼するだけの、いつもの阿比留節です。最近になって内閣支持率がわずかに持ち直したことが納得いかないらしく、「国民がダメな政治に慣れたから」と結論づけ、その観点から野田政権を評価しています。この切り口は、当たっている面もあるでしょう。しかしそのダメさ加減が、内政面で予算案や消費税法案が政局になりごたごたしていることとしているのはともかく、外交面の各種「問題」のせいもあるとしているのは、あまりに牽強付会の印象をぬぐえません。現在の日韓関係がどうなっていて、それが野田首相への評価にどう繋がるか、気にしている日本人はどれだけいるでしょうか。日本大使館前の慰安婦像のことなど覚えている人は、(良かれ悪しかれ)ほぼ産経周辺にしかいないのではないかと思います。あとは中国船が尖閣諸島の領海侵犯したことを並べていますが、野田政権での出来事はこの2点だけです。これで野田政権の外交面への評価をする人は、かなり特殊な発想をしているのではないでしょうか。民主党政権というスパンで見ても、鳩山政権時代の普天間問題処理は外交的失敗でしたが、《日米同盟を毀損》したと見るより「米国に押し切られた」と受け取った人の方が多いのではないでしょうか。
 阿比留記者は支持率回復のもう一つの理由として、「鳩山元首相・菅前首相よりまし」と受け取られたという分析もしていますが、それなら一時期の支持率下落はなかったはずです。それよりも回復の理由は、世論調査のタイミングにも寄りますが、日銀がインフレターゲットを明確化してここ半月ほど円安株高が顕著になってきたためではないでしょうか。政治部記者がいくら政治面に支持率上下の原因を求めようと、実際の支持率が経済状況によって動くことは、実ははっきりしています。これは古今も東西も問わぬ厳然たる事実です。こういう基本的なことを忘れた視野の狭さが、これは阿比留記者や産経記者に限らず、新聞政治部記者の決定的な問題点ではないでしょうか。

【from Editor】求められるシンプルな政治+(1/2ページ) - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120325/plc12032508100004-n1.htm

 石橋文登副編集長のコラムです。いつのまに政治部次長から副編集長になっていたんでしょう。乾正人政治部長もいつのまにか編集長兼論説委員になっているし、本当に産経の人事は謎というか、アレな記者ほど出世する法則がまだ続いているのですね。……あびるんはなぜか出世しませんね。
 政治には、常にシンプルさが求められています。今に始まった傾向ではなく、常に国民はそう思っています。ただし、そうはいかないのが政治というものであることも、皆が承知しています。世間一般で比喩的に「政治」という言葉を使うとき、たとえば「社内政治」とか「あいつは政治をやっている」と言うとき、そこには必ず、複雑、怪奇、腹黒、恐怖、怨念、どろどろ、妖怪、早く人間になりたい、といったニュアンスが含まれています。人間社会とはそういうものだということも、説明するまでもありません。妖怪人間にはそれがわからなかったりもします。
 しかし現実は現実として、人間は理想を求める生物でもあります。その理想、シンプルな政治を求める圧力が、ときにポピュリズムになり、ときに独裁者待望になってしまうこともあるわけです。独裁ほどシンプルで効率の良い政治形態はありません。しかし、それが最低の政治形態であることも、人類は一万年近くの苦い体験で学んできました。
 「政治にシンプルさを」。耳当たりの良い言葉です。しかし、「政治」を口にする者は、そこまで考えてから発言する義務があります。石橋記者に、義務の自覚はあるでしょうか。

「都条例めぐりアニメフェア分裂 性描写規制、和解遠く」:イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/natnews/topics/552103/

 今村義丈記者の署名です。騒動があったのは1年以上前で、震災のため両イベントとも昨年は中止になり、今年が初めての分裂開催となりました。ここであらためて、この異常事態が都条例による表現規制問題に端を発していると再確認する記事は有意義です。ただ、両論併記を図るためなのか、それとも別の意図があるのか、都条例の問題点をほとんど指摘しない記事になっているのは、いただけません。

産経抄】3月25日 - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120325/crm12032503110003-n1.htm

 宗教的情熱をもってなるカトリックの修道士・修道女が、規制を緩めたところ、かえってなり手が減ったという、あややこと曾野綾子氏のエッセイの引用から始まります。そこから、ストーカー事件の被害届を受け取らなかった警察への批判になり、聖職者として規律を厳しく、と説いています。はっきり言いますが、宗教的情熱で警察官になられたら、たまったものではありません。警察官の使命感は遵法意識とともに必要ですが、それはどんな職業にも言えることです。職業倫理や、警察なら法律もそこにあたりますが、それ以外のところに規範を置いた使命感など、迷惑以外の何物でもありません。そして、迷惑な警察官というのは、怠惰な警察官と同じかそれ以上に、社会の害悪です。

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 あほくさいので、リンクは略して見出しだけ並べておきます。