黙然日記(廃墟)

はてなダイアリー・黙然日記のミラーです。更新はありません。

産経抄、呼び捨てる。他。

産経抄】2月4日 - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/120204/biz12020403570009-n1.htm

 Facebook創設者のマーク・ザッカーバーグ氏を呼び捨てで扱っているのですが、どういうつもりでしょうか。嫌われ者の若僧とはいえ、二十代の若さで世界に影響を与える事業を興した成功者に対して、こういう扱いなのでしょうか。ついでに言えば、ビル・ゲイツ氏もスティーブ・ジョブズ氏も嫌われ者の若僧でした。
 ザッカーバーグ氏の話をしている最中にいきなり《この国》という言葉が出てくるので、若き成功者が賞賛される米国のことか、と思いきや、その後の流れを見るとどうやら日本のことのようです。時刻を誇るべき保守主義者が「日本」という言葉を避けて「この国」呼ばわりするおかしさについてはしばしば指摘されますが、文章としての伝達説にまで問題を生じるようでは話になりません。
 最後に無理矢理の民主党政権批判を付け加えるのが、ひさしぶりに、ああ「産経抄」だ、と思わせます。文章のへたくそさ加減も含めて。

【名言か迷言か】日中の「戦略的互恵関係」は呪文か 野田首相、思わず本音?   +(1/5ページ) - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120204/plc12020418010010-n1.htm

 1週間の政治家発言を集める「名言か迷言か」、今回の担当は坂井広志記者。「日中の戦略的互恵関係」という定型句に関して、野田佳彦首相が「呪文」と言ってしまったことに、「これさえ唱えていればうまくいくのか」とツッコんでいます。一理ありますがしかし、「対中戦略的互恵関係」は米国も使っていますよね。坂井記者はついでに「未来志向の日韓関係」もあげつらっていますが、これを否定して過去のことを持ち出すと、いちばん逆上するのが産経新聞じゃないですか。さらに言えば、「日米の緊密な同盟関係」という産経の大好きな呪文も、その実効性について冷静に考え直すべきでしょう。

【消えた偉人・物語】神武天皇 古代史学の進展で実在確かに - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/life/news/120204/art12020408240002-n1.htm

 いろいろタレコミをいただいております。まずコメント欄で名無しさんさんから。
 渡邊毅皇學館大学准教授の署名入りコラムですが、皇學館という点をさっ引いても、これがほんとに准教授の書いた文章なのかと。神武天皇実在の考古学的証拠が見つかったなんて話、聞いたことありません。《神武天皇を「初代」の天皇として記す中学歴史教科書が登場》って、あんたそれ育鵬社自由社だけでょしうが。ていうかそんなひどい記述があるのかとあらためて愕然としましたが。《「日本資料は不思議なほど中国資料とうまく合ってくる」》というのはあれですか、欠史八代の二百歳近い寿命も含めてですか。しかし建国記念の日を前にして、しばらくまた産経のコラムはこんなん一色になるんでしょうねえ。

中国実験炉で事故 昨秋、タービン建物内 政府は公表せず+(1/2ページ) - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/world/news/120125/chn12012507190001-n1.htm
日本原子力研究開発機構の調べで分かった。

独立行政法人日本原子力研究開発機構:中国の高速実験炉に関する報道について
http://www.jaea.go.jp/information/20120126.html
現時点で、日本原子力研究開発機構として、報道にあったような同炉に関する十分な情報はなく、未確認のままの情報が報道関係者に伝達されたことは誠に遺憾であり〔後略〕

「実験炉で事故」報道否定 中国 - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/world/news/120126/chn12012622110004-n1.htm
一部日本メディアの報道について、実験炉を運営する中国原子力科学研究院の万鋼院長は「事実と異なる」と否定した。

 次は無署名のメールでいただいたタレコミ。上の記事は、国内ソースなのになぜか中国総局の川越一記者が執筆しています。その後の経緯はまあそういうことなのですが、いくら共同通信記事そのままとはいえ、《一部日本メディア》はないいでしょう。また誤報の謝罪もせずやり過ごす気でしょうかね。