黙然日記(廃墟)

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産経、煙を立てる。他。

宜野湾市職労側も選挙運動 特定候補への協力呼びかけ+(1/2ページ) - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/region/news/120202/okw12020215230007-n1.htm

 宮本雅史那覇支局長がまた、ありもしない問題について火のないところに煙を立てています。防衛省沖縄防衛局が組織ぐるみで宜野湾市長選への選挙介入を疑われる行為をしていたことに対して、いや労組も選挙運動をやっているぞ、という“大スクープ”です。官庁が組織ぐるみで選挙介入をするのと労組が選挙運動をするのでは、まるで意味が違うのですが、わかっているのでしょうか。わかっているんでしょうね、本当は。職務時間内に選挙運動をしていたなら本当に問題なのですが、記事にはそんな記述はありません。巧妙に避けている、とみるべきでしょう。産経の“報道”にはよくあることで、その方針にもっとも忠実な記者の一人が宮本支局長です。かつての「対馬が危ない」キャンペーンでもそうでした。昔は普通の意味で優秀な記者だったはずなのですが、なにが宮本氏にこんなことをさせているのでしょうか。

【政論】役人に責任押しつけるな 沖縄防衛局長問題+(1/2ページ) - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120202/stt12020220370009-n1.htm

 同じ問題に関する論説記事。沖縄防衛局長の行動にはあきらかに問題があったことを述べながら、更迭などの処分は間違っていると言わんばかりです。ではなにが問題なのか、防衛省ぐるみのもっと大きな問題が隠されているのかと思いきや、なぜか話がいきなり輿石東民主党幹事長へと飛び間すす。それはもう、「えっ? なんで?」と言ってしまうぐらい鮮やかな飛躍です。あとは輿石氏の地元の山梨県教組が選挙活動をしている――という、宮本記者の記事と同じ構図ですが、宜野湾市の話をしているだけ宮本記者の方がまだまともに見えるぐらいです。
 官公労日教組の活動が問題視され、そこから目をそらすために役人をシッポ切りした例が、他にあったでしょうか。いや、今回もはたして当てはまるでしょうか。最後はなぜか《国民はもう飽き飽きしている》と結んでいますが、輿石氏の選挙背景に関心を持っている国民なんかごく一握りだと思いますよ。阿比留瑠比記者の官公労日教組への憎しみは、ものごとの筋道さえ忘れさせるほどのようです。

【あめりかノート】ワシントン駐在編集特別委員・古森義久 - MSN産経ニュース
 ■北核武装、迫る「真実の時」
http://sankei.jp.msn.com/world/news/120202/amr12020203380001-n1.htm

 ひさしぶりに古森氏のコラムを読んでみましたが、あいかわらずですね。「北朝鮮核兵器は1、2年以内にミサイルに搭載できるほど小型化され実用段階に入る」という予測を元に、そのときこそ日本外交の甘さが明白になると指摘しているのですが。
 北朝鮮の核実験は成功したのかどうか不明なところがあり、二段式ミサイルのノドンはともかく三段式のテポドンは毎回三段目切り離しであきらかに失敗しているのですが*1、そんなレベルの北朝鮮の兵器について、明日にも核弾頭が日本や米国本土に落ちてくるかのようなことを言って煽っていたのが、古森氏と産経周辺の人士でした。今まで言っていたことは、なんだったのでしょうね。

安倍元首相のホームページにもサイバー攻撃   - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120202/crm12020216420017-n1.htm

 西田昌司参院議員のYouTubeチャンネルでトラブルがあったばかりですが*2、こんどは安倍晋三元首相と下村博文文科相のサイトがクラックと見られる改竄をされたそうです。タイミングと、この3人の顔ぶれを見ると、偶然とは言いにくい気もします。もっとも、他の議員も無差別に狙われていて、たまたまこの3人のセキュリティ管理が甘かった、という可能性も考えられますが。ていうか、自分のところがこんなあっさりクラックされているのに国防がどうとか言ってるんだから、お笑いです。

*1:ノドンでCBR兵器を使うことは「実用」段階と思われるので、油断していいわけではありませんが。

*2: d:id:pr3:20120130:1327935145 およびコメント欄参照。