黙然日記(廃墟)

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産経論説記事の行方。

金王朝の行方(中)】日米の危機意識くっきり 政権交代 ふっつり消えた朝鮮半島有事研究+(1/4ページ) - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/111221/plc11122101120001-n1.htm

 阿比留瑠比記者、加納宏幸記者、佐々木類ワシントン支局長の連名による豪華な記事です。Wルイルイの連名って初めて見たな。
 折良く開かれた玄葉光一郎外務大臣ヒラリー・クリントン国務長官の会談で、玄葉外相とクリントン長官の発言はほとんど変わりないように見えるのですが、クリントン長官の発言だけを《視線はその先を見据える》と持ち上げる根拠もわかりません。こういうのを印象操作といいます。
 山岡賢次国家公安委員長安全保障会議に遅刻したことについて、「事務方のミス」とする山岡氏や内核の説明について「危機感がない」と非難しているのですが、あきらかに事務方のミスそのものであって、情報を受け取っていない段階で山岡氏はどうすればよかったのでしょう。こういうのを無理難題といいます。ついでに、藤村修官房長官が記者会見で個人的な弔意を述べたことをとりあげて、山岡氏の遅刻をかばうことと結びつけていますが、論理的な整合性がまるでありません。こういうのを牽強付会といいます。この部分、いつも牽強付会をやる誰かさんが書いたというのが明白にわかってしまいますね。
 さらに続いて、自民党歴代内閣がいかに朝鮮半島有事を研究してきたかを列挙し、それに対して民主党政権では途絶えた、と非難しています。歴代とは橋本龍太郎政権、安倍晋三政権、麻生太郎政権で、麻生政権時代の研究というのは金正日総書記が公の場に姿を現さなくなった異常事態を受け手のものでした。橋本内閣と安倍内閣の間が、何年開いていましたっけ。政権交代後2年半の間に有事研究をしなかったのはけしからんということでしょうか。立派な研究成果があるのですから、後回しになるのはやむを得ないんじゃないですか。こうした時間感覚を無視した難癖も、筆頭の誰かさんが書いたんだろうなあ、と思われます。