黙然日記(廃墟)

はてなダイアリー・黙然日記のミラーです。更新はありません。

産経論説委員の南進観。他。

【土・日曜日に書く】論説委員・皿木喜久 あの「南進」とこの「南進」 - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/life/news/111210/art11121003380000-n1.htm

 皿木喜久・元論説委員長の登場です。先日の「産経抄*1や「主張」*2でやたら南進論への転換にこだわっていた回のフォローという感じでしょうか。さかのぼって考えるなら日露戦争ではなく、琉球処分後に日清戦争で豊かな台湾を手に入れてから、なぜフィリピンに食指を動かさなかったのか(この三つの諸島はほぼ一列に並んだ列島状になっています)も検討しておくべきところです。
 今回はつけたりのように、現在の中国が同じく東南アジアの石油資源を求めて南進政策をとっていることを指摘していて、それはちょっと面白いと思いました。しかし、東南アジア地域って米国の存在感がそんなにありますかね。フィリピンなどはそうかもしれませんが、地理的中心になるベトナムは「世界で唯一、米国に勝った民族」というプライドを持っています。TPPに対抗するASEAN+3/6の動きを見ていても、東南アジアがそう簡単に、米中対立で米国側につくとも思えません(もちろん、簡単に中国側につくはずもなく、それならそもそも南シナ海紛争は起きていないのですが)。

産経抄】12月10日 - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/111210/plc11121003350001-n1.htm

 《マルチ商法企業との深い関わりやカネに関する噂の絶えない山岡賢次国家公安委員長》という文章があるのですが、(1)「マルチ商法」は連鎖取引商法の別名で、事実なら明確な法律違反であり、事実でなければ中傷記事になること、(2)問題は山岡氏がマルチまがい商法を規制するべき消費者問題担当相である点にあり、国家公安委員長は関係ないこと、2つの点で問題を孕んだ記述です。産経が消費者問題にいかに関心がないかを示しており、こういうことをさらっと書いてしまうあたり、「産経抄」の無神経さが現れていると言うべきでしょう。ついでに、山岡担当相の「疑惑」や一川保夫防衛相の「監督責任」での問責決議可決は、問責も軽くなったものだと嘆じざるを得ません。別に両人を弁護する気もありませんが。