黙然日記(廃墟)

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産経オピニオンの12月8日。

産経抄】12月8日 - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/111208/plc11120802590000-n1.htm
【主張】日米開戦70年 日本人自らの目で検証を 同盟強化こそ平和を守り抜く+(1/2ページ) - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/111208/plc11120803020002-n1.htm
【正論】学習院大学教授・井上寿一 開戦70年、日米の隔たり超えて+(3/3ページ) - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/111208/plc11120803010001-n3.htm

 日米開戦70年とあって、総力戦で論じています。一つ一つ見ていきましょう。
 「産経抄」が順番としては最初になるのですが、論ずるに足りないというか、なんだこりゃ。3本の中でいちばん、ゆがみまくった歴史観を披瀝しています。中西輝政氏の文章を《目からウロコが落ちた》と絶賛していますが、今まで自紙や雑誌「正論」に寄せられていた文章を読んでいなかったのでしょうか。もうひとつ、「目から鱗が落ちるのと目に鱗が飛び込むのは、主観的に区別できない」という指摘もしておきます。
 「主張」は前半で歴史修正主義を全開で唱え、日米開戦を回避できなかったかを、同じ中西氏の文章などを引きつつ検討しています。しかし南部仏印進駐にしろ、そもそも日中戦争に深入りしたゆえの必然の結果であることは、まるっと無視しています。
 後半では靖国と日米同盟について、いつもの主張を繰り返しています。ここぞとばかり、という感じですか。しかしなぜ、自衛隊と日米同盟の強化が《戦争への道を歩まないための最善の道》なのか(道が交差してますよ)、説明がありません。そりゃ、日米戦争にはならないでしょうが。
 「正論」で井上氏は、真珠湾攻撃は不可避ではなかった、今後はカリスマ政治家に頼ることなく国内政治の確立を、などを論じています。「産経抄」「主張」に比べれば、まあまともですか。