産経オピニオンの時代錯誤。
【産経抄】11月26日 - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/life/news/111126/imp11112602500001-n1.htm
【主張】女性宮家問題 男系の歴史踏まえ熟議を+(1/2ページ) - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/life/news/111126/imp11112602520002-n1.htm
《帝王学》というのはばかげた言い方ですが、「皇族学」とでも言うべき、ものの考え方があります。あくまで無私の立場で国民全体と皇室のことをお考えになる訓練を、現皇族の皆様方はなさっているようにうかがえます。自身の皇籍復帰に野心満々な、一部の旧宮家の面々に、それが望めるでしょうか。国民が現皇室を支持しているのは、単に血筋だけのことではありません。生まれながらに皇族としてノーブルな(無私な、と言い換えてもいいでしょう)考え方を身につけていらっしゃる方々であるからこそ、それぞれ個人として尊崇しているのです。
【正論】東京大学名誉教授・小堀桂一郎 皇室の御安泰を真剣に考へる秋+(1/3ページ) - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/life/news/111123/imp11112302580000-n1.htm
あいかわらず誰が読むのかわからないような小堀氏の「正論」で、23日付掲載時はスルーしていたのですが、今日の「主張」で言及されているので改めて読んでみたら、示唆に富む内容を含んでいました。必ずしも小堀氏の意図したところではないと思いますが。
羽毛田信吾宮内庁長官が、10月定例会見の時点で女性宮家創設に繋がる発言をしていたという指摘は重要でしょう。英王室継承の、男系優先から長子優先への変更を踏まえたもののようです。女性宮家創設は今月になって唐突に出てきた話題ではなく、流れがあったという指摘です。皇統については当面心配ないが、両陛下を支える皇族方の不足が心配だ、という問題意識にも共感できるところです。
ただ、ここで小堀氏が言い出し今日の「主張」にも引用されたのがとんでもない話で、女性宮家の配偶者が旧宮家なら血統問題は解決する、というのです。皇族方の婚姻の自由を無視した話ではないでしょうか*1。事実上、女性皇族に旧宮家男性と結婚することを強要しているようなものです。「皇族の人権」というのは非常に厄介な問題ですが(上に述べた「無私の立場」も含めて)、ここまであからさまに無視してよいものではないでしょう。小堀氏の世代でも、見合い結婚が主流とはいえ結婚は自由恋愛によるものという認識が成立していたはずなのですが*2、時代錯誤も甚だしいと言うべきです。