黙然日記(廃墟)

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産経、インタビューする。他。

安倍元首相インタビュー、「在任中に靖国参拝すべきだった」「慰安婦謝罪発言はしていない」+(1/2ページ) - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/111123/plc11112300320000-n1.htm
安倍元首相インタビュー、一問一答 - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/111123/plc11112300340001-n1.htm

 これほど時宜を得ないインタビュー記事というのも、珍しい気がします。インタビュアーは、もちろんあの人です。「見出し以上の情報がない記事」というのもまた、珍しいように思います。
 質問する阿比留瑠比記者と答える安倍晋三氏のそれぞれに、いったいどんなメリットがあってこの記事が紙面に出てきてものでしょうか。身内に向けての言い訳を試みているようなのですが、世間では通用しないものばかりです。2006年9月に就任し10月に日中首脳会談を果たした安倍首相にとって、靖国参拝の機会は春の例大祭・夏の終戦記念日とあったわけですが、なぜそのタイミングを外したのかという説明がありません。まあ、わたしは別にそれで説得されようとは思わないのでかまいませんが。
 慰安婦問題への言い訳はもっと悲惨にして爆笑ものです。ブッシュ米大統領(当時)との会談で、「会談したことにしておこう」と相互に合意して任せていたら、「アベは謝罪した」と勝手に言われてしまった、というのです。そんなもん、謝るのが当たり前と思われていたからに決まっているでしょうが。あまりに認識のギャップが馬鹿馬鹿しすぎて、もう笑いすら出てきません。
 ひとつ確実に言えるのは、これから安倍議員または阿比留記者が、TPPに関する野田首相の対米発言があったかなかったかを攻撃することはできない、ということでしょう。

産経抄】11月23日 - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/111123/plc11112302550002-n1.htm

 自衛隊の「本来の任務」とはなんでしょうか。法律論は少し脇によけて考えてみると、「国民の生命と安全を守る」という答えが出てきます。したがって、災害出動なども、自衛隊法で定められた本来任務であります。一方で雪まつりの設営などは、フレンドリーという意味では重要でありますが、まあ付随する任務ということでしょう。では復興支援のためのイラク派遣はどうかというと、これは日本国民の生命と安全を直接守る任務ではなく、本来任務とは呼べないものです。自衛隊を、雪まつりや他国の復興支援や無料ガソリンスタンドのために利用するのは便利屋扱いと言うべきで、災害救助や放射能汚染からの防御(除染)を頼むのは、本来の任務を依頼していることになります。これが便利屋扱いだったら、公務員の公務はすべて便利屋扱いということになってしまいます*1
 勤労感謝の日、国民を守る自衛隊に感謝するのはよいでしょう。同時にボランティアを含め震災復興のために働いている人々に感謝しつつ、自衛隊の本来の任務を妨害している者はいないか、あらためて監視する必要がありそうです。

*1:それはそれで正しい解釈のような気もしますが。公務員=サービス業とわたしは考えています。