黙然日記(廃墟)

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産経抄の名付け観。

産経抄】10月31日 - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/life/news/111031/trd11103102500000-n1.htm

 まず書いておくと、「捨吉」という名前について。古くから「捨て子は育つ」という俗信があったのです。そこから、生まれた子の体が弱いと、いったん捨て子にして(あるいは捨てるふりをして)拾いなおして育てる、または「捨吉」「お捨」ていった名前をつけて育てるという習俗があったのです。元気な子に、という願いを込めた命名であり、最後の子にと願う「留吉」「末子」とは違います。だいたい、最後の子にしたくて「捨吉」と名付けるのでは、まったく関連性がなく単なる嫌がらせにしかなりません。昔の人だって、一人ひとりの子供の幸せを願っていたのであって、なにも不合理にネガティブな名前をつけていたわけではないのです。
 あと、新島襄が七五三太から襄に改名したように書いていますが、七五三太は幼名であって元服後の本名は敬幹だそうです。七五三太がいくらいい名前でも、それを名乗り続けることは、いずれにしろなかったわけです。襄と名乗ったのも、Joseph Hardy Neesimaという英名を持っていたからなのはわかるでしょうに。今なら「ジョー新島」と表記していたでしょう。ジャニー喜多川氏やバッテン荒川氏のようなものです。