黙然日記(廃墟)

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産経抄の大盤振る舞い。

産経抄】10月26日+(1/2ページ) - MSN産経ニュース
産経抄】10月26日+(2/2ページ) - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/world/news/111026/kor11102602590001-n1.htm
http://sankei.jp.msn.com/world/news/111026/kor11102602590001-n2.htm

 この長さで2ページに分割って。そんなにページビューを稼ぎたいのですか。それとも、後半を読まれたくなかったとか。1ページ目はシラク元仏大統領関係のエピソード、2ページ目は韓国で現在騒がれている件についてで、通して読めば韓国への揶揄なのですが、1ページ目だけではそれを微塵も感じさせない構成になっています。
 1ページ目、シラク氏が英国料理についてジョークを述ベ(ジョークの内容は説明するまでもないでしょうから英国の名誉のために割愛します)、それに反発した英国民がパリに対抗したロンドン五輪招致に成功したのだ、と述べています。問題のジョークが五輪争奪戦に絡めて受け取られたのは事実でしょうが、もともとの文脈では2005年当時、英国(+米国)とフランス(+ドイツ・ロシア)の間で最大の課題になっていた、イラク戦争への対応だったようです。産経としては、その点には触れたくなかったようですね。
 2ページ目冒頭に、おかしな文章がありますね。≪こちら韓国で今、≫。英仏が対抗する話の後だから、こちら極東では、ということでしょうか。それとも、ソウル支局長あたりがうっかり書いてしまったのでしょうか。≪李明博大統領が訪米したさい、晩餐(ばんさん)会での料理への批判が出ているという≫。「訪米した際の〜料理」なのか、「訪米した際、〜批判」したのか。「〜という」も、最初の「こちら〜」と結びつきません。また、直後に実際に韓国メディアで出ている批判が引用されているのですから、「〜という」はやはりおかしいでしょう。これだけ複合的な悪文も珍しいですね。
 韓国料理が世界化を目指していることを揶揄する姿勢は、やはり黒田勝弘ソウル支局長を思い出させます。彼はしばらく前、「ビビンパ羊頭狗肉、これでは世界で通用しない」というヤンデレコラムを書いて、韓国から猛反発を受けていました。産経のコラムをまに受けて反論するなんて、日本では考えられないことなのですが、こんな新聞でも対外的には四大紙として通用してしまっているのですから、韓国側の対応を責めるわけにはいきません。この羹に懲りず、さらに石焼ビビンパを丼持ってかっこむような真似をする産経も産経です。
 ≪米国側に他意はなかっただろう≫という、頭からの米国性善説決め付けは、やはりイラク戦争のことを思い出させます。そして締めの文章が、爆笑もののオチになっています。≪過度な愛国心が他国をウンザリさせるのも歴史の示すところだ≫。これ、自分に当てはまると思ってないんですよ。多分本気で。すごいですね。
 あーおなかいっぱい、むにゃむにゃもうカルビは食べられないよ〜。