黙然日記(廃墟)

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産経「主張」八木氏の金魚観。

【正論】高崎経済大学教授・八木秀次 「壮大な詐欺」は現在も進行形だ+(1/3ページ) - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110913/stt11091303040000-n1.htm
 野田首相はドジョウを自称しているようだ。しかし、それは金魚に憧れてもなれないという意味においてだ。金魚は赤い。閣僚や党執行部には「赤い」人たちも多い。

 出オチですが、強調引用しておきます。最終段近くのこれを読んで、ここまでいちおう(ツッコミを入れるために)真面目に読んできた自分が情けなくなりました。まあ、真面目に読んでいた分のツッコミをいちおう。
 「パンとサーカス」のたとえは八木氏が2年前に繰り返し使い、当時の「正論」などの筆者何人かも引用してちょっとした(産経内)流行語になりましたが、たしか当時は事業仕分け作業の公開質疑をさしてそう呼んでいたはずです。いつのまにか、選挙そのもののことに差し替えてしまっているんですね。また、これを≪古代ローマ衆愚政治≫と書いていますが、衆愚政治と愚民政策は違います。古代ローマ衆愚政治だったと思っているのでしょうか。
 民主党マニフェストのうち、「パン」としている部分、高速無料化や子ども手当の継続などができなくなったのは、最初からだますつもりで持ち出して引っ込めたわけではなく(悪意がある人はそう言い立てるでしょうが)、野党の反対による面が大きいのではないですか。野党支持者としてそれを勝ち誇るならまだしも、100%敵失と言うのでは、せっかく体を張って反対した自民公明両党も浮かばれないでしょう。
 このマニフェストを八木氏が「詐欺だ」と公言したら「詐欺罪の構成要件にあたらない」と反論されたそうですが、これはどうしましょうかね。「あのやり方は(まるで)詐欺だ」という言い方は存在しますが、刑法の条文にある単語を特定の相手に向けて公言したら、名誉毀損になりかねません。そうしたリスクも含む“言論の自由”を、八木氏は認識しているのでしょうか。
 政権たらい回し批判は当たっている面もありますが、今回の首相交代については、今が総選挙をできる状況かどうか、そもそも菅前首相が辞めるべき理由があったのかから論じなければならないでしょう。
 そして金魚発言に続くわけですが、その先も、どじょうは土の中の魚だ、野田氏はアンダーグラウンドだ、という、思いつきのような難癖が続くのですから、呆れるしかありません。もうこのひとはどぅじよう(どうしよう)もない、できれば金魚(近所)に来ないでね、と、あえて苦しい駄洒落でまとめておきます。