黙然日記(廃墟)

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産経抄のMF観。

産経抄】9月2日 - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110902/plc11090202550002-n1.htm

 比喩がうまいことで知られる野田佳彦首相に、別の比喩で対抗しようとして失敗したでござるの巻。
 現代サッカーの基本は組織サッカーで、いくら強烈なストライカーがいても中盤で組み立てられなければ駄目とされています。それを踏まえ、CFばかりのチームにMFを求めたのが野田首相の発言ですが、なぜか抄子は「男子代表チームはこうだから」と述べて、反論した気になっています。それはたまたま一つのチームがそうであるということで、すでに中盤のタレントが豊富なのにストライカーがいなかったというチーム事情を示しただけで、中盤の重要性を否定できたことにはなりません。男子代表チームにしろ、世界の壁が分厚かった時代から決定力不足に悩みつつ、中盤を磨き上げることによって、W杯出場常連、そしてベスト16にたどりついたと言っても過言ではありません。それは、たかがベスト16(うわ、言ってしまった)の男子に限らず、世界を制した女子代表チームについても言えることです。チームの中心である澤穂希選手がMFであることに、ここで言及している意味もわかりません。
 要はチームのバランスであって、CF(になりたがる)選手ばかりのチームにMFを求めるのは至極当然であり、MFばかりだったチームにCFが求められていたことは、この比喩の補強材料にはなってもちっとも反論になっていないのです。これはかなり恥ずかしいコラムではないかと思いますが、どうでしょうか。