産経抄、極微を競う。

【産経抄】７月１５日 - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/sports/news/110715/scr11071503100002-n1.htm

　なでしこジャパンの活躍については申すまでもありません（あわよくばもうひとつ……いやいやそんな、でもしかし）。国威という点については、国家代表選手個人とナショナルチームは、単純に比較できるものではありません。別に国威発揚のためにナショナルチームを編成するわけではないのですが、結果として無視できないヨウ素にはなりえると考えます。ただいずれにしろ、震災被災者支援を国威発揚に結びつけるのはあまりに乱暴であり無礼であり、論外と申すべき発想でしょう。「君たちを彼らが見ている」という励まし方がぎりぎりのところであって、それはその場での発奮材料（というと多少語弊がありますが）に過ぎず、ビダンとして取り上げるべき性質のものだとは思えません。こうした発想が、震災被害を五輪誘致の口実に使うような下劣なやり口につながっていくのです。
　最終段落は例によってとってつけた菅首相批判で、首相発言が《被災者への思いやりや国際社会への配慮は微塵（みじん）も感じられなかった》というなら、「産経抄」のスポーツ礼賛にそんなものがミクロン単位でも感じられるのでしょうか。