産経抄、ツカミはOK。
【産経抄】7月10日 - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110710/plc11071003020000-n1.htm
最初の5文字が《渡部昇一氏》なのを見ただけで、今日は傑作に違いないという予感、いや確信がありました。渡部氏の近著が『決定版・日本史』、版元が育鵬社という紹介だけで、もう笑いが止まりません。歴史修正主義教科書出版のために設立された会社が《大人のための歴史教科書》を出して、その著者が渡部“世界日報はクオリティーペーパー”昇一氏*1。うひー。
渡部氏に教えられなくても、幕府が開国派であったことは、どんな教科書にも載っています。もしかしたら育鵬社(扶桑社)教科書には載っていないのかもしれませんが。その見通しが甘いもので、日本が独立を保てたのは結果でしかないという指摘は、「産経抄」のどこにも見あたりません。もちろん、米国様のなさることにそんな邪悪な意図があるはずもございませんからね。徳川幕府が諸大名の連立政権であったこと、さらに、現在の日本国も国民の意思によって運営される民主主義国家であることなども、抄子は理解していないようです。「大人のための」教科書を読む前に、普通の中学教科書を虚心に読み直してみてはどうでしょうか。
《決断のなさ》という表現が2回出てきますが、違和感があります。「決断力のなさ」か、「決断の欠如」あたりではないのでしょうか。
最後は《気がする》といささか稚拙な言い回して予感を表明しています。わたしの予感は見事に当たりましたが、抄子の予感はどうなるでしょうか。