産経抄、ご乱心。他。

【産経抄】６月２９日 - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110629/plc11062903130000-n1.htm

　今回の内閣改造は遅きに失した感は否めないのですが、原発担当大臣の必要性は言うまでもありません。少なくとも来年１月までは、予断を許さない状況が続くだろうと予測されています。《事故から３カ月半もたっての担当相設置》というのはもしかして、事故が３箇月半前に終わっていると思っているのではないですか。あるいは、終わったことにしたいのですね。
　ささいなツッコミですが、《「その場しのぎ」》だとも批判しています。この表現は「急場しのぎ」とほぼ同義です。数日前、囲碁に譬えて「大場より急場」という格言を紹介し、菅首相は急場に目を向けていない、と批判したばかりだったような気がしますが、どっちなんでしょう。
　「殿ご乱心」という言葉は、時代劇などでは、若き名君が存在しては都合の悪い悪家老が、若殿を政治から切り離すときに使う口実ですよね。そういうことにしたいのですね。

【主張】民主党　「人災」の共犯になるのか＋（1/2ページ） - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110629/stt11062903160000-n1.htm

　産経の論説、あるいは野党自民党の論客たちは、震災や原発事故を「菅直人首相による人災」とする非難を繰り返しています。視察によるベント遅れも海水注入中断もその他様々、彼らが指摘するごとにひっくり返されてそれっきりなんですが、「人災」批判だけは止みません。
　この際なので明確にしておきます。地震と津波による震災は、天災です。備えがなかったことを人災とは言えますが、現政権にすべての責を負わせるのは理不尽ですし、歴代政権に対しても、千年に一度の震災に備えよというのは正直難しいところです。人災の要素はありません（ここまでのところは、さすがに言うまでもないと思いますが）。被災者救済など対応の遅れが指摘されており、そこに人災の要素を見ることはできますが、基本的にはリソースの不足がトラブルの元凶と考えられます。
　一方の原発事故に関しては、あきらかに人災です。そして人災の主犯は東京電力です。政府や与党が共犯や従犯にあたるかどうかは別に議論しますが、この根本を見過ごしてはなりません。東電批判者が「当たり前すぎてっわざわざツッコまない」のをいいことに、この前提をなかったことにし、いつのまにか菅首相を主犯扱いして平然としているのも、見過ごすことはできません。首相本人のことはどうでもいいとしえ、東電の責任追及を忘れない、風化させないためにも。