黙然日記(廃墟)

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産経抄、ペテンにかかる。他(含陰謀論)。

産経抄】6月4日 - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110604/plc11060402580004-n1.htm

 いつまでもぐちぐちと、自分がペテンに引っかかったことへの恨みを述べている「産経抄」ですが、誰も同情しませんよ。端から見ると、なんであの発言が「辞任表明」早期退陣」になるのか、これは産経に限らず各紙政治面共通ですが、永田町の常識とやらがさっぱりわかりません。
 マニフェストがペテンだったというのは、これは話が違います。もしそうなら許されない、国民との真摯な約束であるべきだからです。そのように考え、実行されるべきだったと考える立場から、さて今度の民主党内紛を抄子に説明するなら、「わかりません」です。マニフェストとはまったく関係のないところで起きた騒ぎですから。なぜ、わたしのような立場の人間に内紛の説明を求めるのか、論理に飛躍がすぎるというものでしょう。それとも、一度投票したからにはその政党のやることなすこと全肯定すべきだ、という発想なのでしょうか。祖んな奴隷的支持は、自民党と産経の間ぐらいにしか成立しませんよ。
 俗語としての「ペテン」にはそのまま「頭」という用法があり、「あいつはペテンがいい」などとも使います。ペテン(頭)を使う犯罪者だからペテン師というわけです。同じミスリードでも、産経紙面が2日朝まで「民主党から大量造反」「不信任案可決確実」などと書いていたのは、これはペテンにかけようとしたのではなく、ペテンの出来の問題だったようですね。

【主張】菅首相「続投」 国民愚弄にも限度がある - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110604/plc11060402590005-n1.htm

 《存在自体が「人災」と呼ばれてきた首相》って、そこまで言ってるのって産経以外にどれだけいるのよ。安倍晋三政権末期に「安倍首相はもはや歩く災害」と言っていた人もいました、とか蒸し返しちゃうぞ。
 上でも述べたように、首相の最初の発言を「早期退陣」とは解釈しなかったので、なんでここまで怒っているのか、まったくわけがわかりません。不信任案採決で小沢派の大量造反を期待していたときもそうですが、なんで勝手な解釈で勝手に期待して、それが間違いだとわかると「裏切りだ不誠実だ許せない」と怒るのでしょうか。なんかちょっと、あまり言いたくはありませんが、どうかしてるんじゃないかとすら感じます。
 なんでそこまで菅直人氏を首相の座から引きずりおろしたいのか、そこからして理解困難です。いや、産経は当初から菅政権、民主党連立政権を倒したくてしかたなかったわけで(「下野なう」宣言のときもそんなこと言ってましたしね)、そういう文脈ならわかるのですが、最近の菅おろしの動きは、産経や読売に限らず自公た各党や民主党内小沢派や鳩山派の動きを含めて、どうも異常に見えます。「民主党政治を終わらせる」ではなく、今は「菅政権を終わらせる」ことだけに意識が集中して、その先のことは考えていないし(谷垣禎一自民党総裁もそう明言していました)、誰を変わりにたてるかという見通しすらないようです。
 あるところで、電力利権(原発利権)というものは我々が想像する以上にものすごく巨大で*1、菅氏はそこに切り込んでしまった、という指摘を見かけました。そうした背景を仮定すると、政治より大きな何かの勢力がうごめいて「とにかく菅を叩き落とせ、とにかく原発を存続させろ」という意志が働いているということになり、話はすっきりします。もっとも、巨大な闇の勢力を仮定して話をすっきりさせるのは陰謀論そのものなので、わたしからはここまでにとどめておきます。なんにしても、今回の(浜岡原発停止以後ぐらいでしょうかね)菅氏への個人攻撃には、ひたすら異様な印象しかありません。

*1:小沢一郎氏がダム(水力)利権に関わっていることはよく知られていて、同じ電力利権でも少し違うのかもしれません。今回の小沢氏の動きを見てもそんな気がします。