黙然日記(廃墟)

はてなダイアリー・黙然日記のミラーです。更新はありません。

産経抄の原点。

産経抄】5月3日 - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/world/news/110503/amr11050303260005-n1.htm

産経抄】5月4日 - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110504/crm11050402460001-n1.htm

 米国全肯定。
 あの正体不明な、いまだにオサマ・ビンラディンかウサマ・ビンラーディンかすらよくわからないあの人物ですが、米軍による暗殺行動を産経は全肯定の姿勢です。「殺さずに捕まえるべきだった」という批判に対してさえ、「だって話が通じないんだから殺すしかないじゃん」と、ごく乱暴に切り捨ててしまいます。ではたとえば、「フセイン大統領を即決で死刑にしたことでイラクは泥沼化した」という批判に対しては、どう答えるのでしょうか。
 9・11は現在の産経の親米路線にとって原点のように見えます。それ以前からもちろん親米だったのでしょうが、ここ10年は何かあるたびに「9・11」を持ち出せば済むという雰囲気がありありでした。それだけのインパクトがあったのも事実ですが、米国民以外にとってはなぜそこまでこだわるのか、正直あまりピンと来ません。これは、3・11が日本人にとって永久に忘れられない日になったのに対し、数年経てば世界からは忘れられているだろうことに較べられるかと思います。ここで、「いや、3・11はとても大切なんだ、もっと同情してくれ」と叫ぶことは無意味でしょう。それでも同情を示し力を貸してくれる人や国には心から感謝するでしょうが、「なぜ?」という気分にもなるかもしれません。それと同じように、どうしても産経の9・11親米路線に違和感を覚えるのです。少なくともわたしは、人間が死んだことについて万歳三唱はできません。