黙然日記(廃墟)

はてなダイアリー・黙然日記のミラーです。更新はありません。

産経記者の気持ちが分からない。

【外信コラム】ポトマック通信 多国籍の折り鶴 - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/world/news/110321/amr11032103090001-n1.htm

 なぜか忘れがちになるのですが、古森義久氏という人は、普通にこういう良いコラムも書ける人なのです。この時期に《多国籍》という見出しだけで、「リビア戦争とイラク戦争を重ねてはしゃいでいるんだろうなあ」などと邪推してしまった自分が申し訳ないところです。

【政論】首相は自衛隊員の気持ちを分かっているのか - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/498004/
【政論】首相は自衛隊員の気持ちを分かっているのか+(1/2ページ) - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110320/plc11032021460029-n1.htm

 なにをどう書いてもアレな阿比留瑠比記者の【政論】です。こういう、自分はわかっているみたいな言い方をする人は、どうなんでしょうね。
 首相のどこが自衛隊員の気持ちをわかっていないかというと、辻元清美氏をボランティア担当首相補佐官に、仙谷由人氏を被災者支援担当官房副長官に起用したことだそうです。辻元氏は昔から自衛隊に対して批判的でしたが、政治家になってから、さらに与党入りしてからは、特に過激な言動はしていません。かといって積極容認しているわけでもないので、もしかしたらその点に引っかかる人がいるかもしれませんが、ボランティア担当者と自衛隊員は直接の接点があるわけではないので、そんなことを言い出したらきりがありません。ところで阿比留記者は、「辻元氏が阪神淡路大震災の現場で自衛隊批判ビラをまいた」という話を、なぜ今回は持ち出さないのでしょう*1
 仙谷氏起用が自衛隊員の気持ちを云々にいたっては、またもや「暴力装置」発言です。「『暴力装置』は暴力で機械装置の意味だ、許せんキィキィ」とわめきたて、いっそう自衛隊員の気持ちを傷つけたのが、産経新聞でした。発言直後に、マスメディアが「『暴力装置』とは社会科学の用語で、『実力部隊』とほぼ同じ意味で使われる」という冷静な解説を伝えていれば、実力部隊の人々が傷ついた気持ちをいつまでも抱えるようなことにはならなかったのではないでしょうか。産経や阿比留記者が、自衛隊員の気持ちをそんなに大切に考えているなら、ですが。

【一筆多論】坂口至徳 津波の防災教育の徹底を+(1/2ページ) - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/life/news/110321/trd11032107520008-n1.htm

 ついでにこれも。坂口論説委員ですが、なにを言いたいのかまるでわからないのですよ。津波のときの避難をしっかり教育しろ、という話かと思えば、今回の津波は通常の想定を遙かに上回っていて役に立たなかった、という話になっています。そもそも、三陸地方で(通常の)津波対策が周知されていないわけがありません。どうやらマスメディアやインターネットでの情報共有の話をしたいらしいのですが、それにしてはタイトルも不適切なら論旨もめろめろだし、停電時にネットが使えないのは単にパソコンを充電できないからだと思っているような、妙ちきりんな記述もあります(回線どうすんのよ*2)。
 【一筆多論】とか【from Editor】とかの記者コラムはふだんあまりチェックしていないのですが、たまに開くと必ずの洋におかしなものばかりですからねえ。

*1: d:id:pr3:20110315:1300198641#c コメント欄参照。多くの方が、このデマについて検証されています。

*2:アナログモデムの時代は、停電でも電話回線が生きていればなんとかネット接続できたのですが。非常時対策として56kモデムが見直され……たりはしないよな。