黙然日記(廃墟)

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産経「主張」の擁護と黙殺。

メア氏発言 政治利用せず移設実現を - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/495055/
【主張】メア氏発言 政治利用せず移設実現を - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110310/plc11031003000004-n1.htm

 昨日の「産経抄」に続いて今日は「主張」ですが、これは各紙同じで、毎日・読売が今日の社説にしています。毎日は「ひたすら許せない」、読売は「許せない」が、それはそれとして日米同盟は大事」でした。
 さて我らが産経ですが、要約してしまうと読売とほぼ同じになります。ただ、全体の配分とかちょっとしたニュアンスで、どちらにテーマがあるのかは明確になっています。読売が「許せない」をテーマに、いちおう同盟もあるからね、と釘を刺すレベルなのに対して、「うんまあ許せないっていうのはわかるよね、遺憾だよね。でも移設問題には絶対持ち込むなよこの野郎」という内容です。注目すべきなのは、メア発言に関する官房長官沖縄県議会の抗議、それに対する(昨日までの)米側の謝罪について《全くの当然である》とするだけで、産経自身がメア発言を許せないと思っている様子がないことです。「政府や議会や他紙がみんな抗議してるから、ここでは怒ってみせたほうがいいんだろうなー」ぐらいの雰囲気しか感じられません。現に、昨日はあんなことを書いていたわけですし。おざなりに《当然》としておいて、あとは持論の展開ですから、どう見ても本気で怒っているとは思えません。
 とりあえず今日の「主張」の筆者は、アタマかち割るまでしなくていいから、昨日の「産経抄」の筆者と一緒に国籍捨てて土下座してから太平洋の彼方へ消えてくれませんか。チリやメキシコやカナダに迷惑かけずに、ちゃんと宗主国様の本土に落ちるんですよ。

櫻井よしこ 菅首相に申す】メア発言の真意+(1/3ページ) - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110310/plc11031003020005-n1.htm

 櫻井氏の連載も、自らのタイトルを無視して、メア発言を擁護しています。結論から言うと、なぜケビン・メア氏が「沖縄人は怠惰だ」と発言したのかについて、櫻井氏は何も説明できていません。実に羊頭狗肉な見出しといえましょう。櫻井氏が述べているのは、「中国の脅威を伝えない沖縄メディアは怠惰だ」であったり、「安保タダ乗りで改憲しない日本人は怠惰だ」であったりしますが、沖縄人全般を侮辱した理由については説明できていません。背景説明としてみても、「沖縄人は言うことを聞かない」と蔑視丸出しであることがわかるだけです。「ゆすりの名人」については《侮蔑は決して許されるものではない》と非を認めるのみですし、もう一点の「沖縄人は怠惰」については、言及すらされていません。「怠惰」という言葉さえこの文章には出てきません。
 メア氏の講演が、他でいかに立派なことを言っていたとしても(必ずしもそうは思えませんが)、一部分の発言に問題があれば、それは問題発言です。《発言の真意》なるものはなんだったのか、沖縄および日本への蔑視でなければなんなのか、櫻井氏の説明をあらためて求めたいところです。
 櫻井氏は日本の保守派論客だったはずが、いつから米国の代弁者になったのだ、というツッコミは、ここではしません。いつからって最初からだし、この文章はメア氏の代弁としてすら役に立っていません。問題発言部分は非を認めるかスルーするだけ。そしてたとえば、講演要旨の中に中国のちの字も出てこないのに、櫻井氏は中国脅威論ばかりに紙幅を割いています。こんなシャドーボクシングばかりの代弁人は役立たずでなんの意味もありません。この文章を翻訳して、メア氏に「これがあなたの真意だと擁護する人もいる」と読ませたら、頭を抱えてしまうのではないでしょうか。更迭を受けおそらく失意の中にある彼に(自業自得そのものですが)、発言の責任を含めてさえ、そこまでむごい仕打ちをしたくはありませんが。

外国人献金禁止 緩和への法改正は危険だ - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/495057/
【主張】外国人献金禁止 緩和への法改正は危険だ - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110310/plc11031004590007-n1.htm

 この話題、引っ張るようですが、7日付「主張」の過剰とも思える禁止論・摘発論を意識したかのように、8日付朝日・9日付毎日と、社説で外国人個人献金緩和を唱えていたので、これは今日明日あたり産経が反論するかな、と思っていたのです。その通りになったわけですが、いちおう、他紙社説ではなく岡田克也民主党幹事長への反論という形になっています。しかし、先週末の岡田発言にいまごろ二度目の反応をするのも変ですよね。
 ネット献金にも言及され、朝日・毎日への反論であることは明らかなのですが、重要な点が抜け落ちています。朝日・毎日とも、2006年に外国企業の政治献金は事実上解禁されていることを指摘しているのに対して、この「主張」は押し黙ったままなのです。「上場して5年以上」という甘い基準で、大企業からの献金は認めておいて、個人経営の焼肉屋からは献金は禁止し鬼の首を取ったように閣僚を責めるというのは、どう考えても話が通りません。反論できない話はスルーということで、たいへん見事な産経新聞「主張」でした。2本立てで2本ともこれだよ。>>
- イザ!