黙然日記(廃墟)

はてなダイアリー・黙然日記のミラーです。更新はありません。

産経抄、差し引く。他。

産経抄】3月5日 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/494366/
産経抄】3月5日 - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110305/crm11030502500004-n1.htm

 京都府警ハイテク犯罪対策室を褒めています。なぜかやたらと持ち上げています。ちゃんと取材せずに記事を書いたお詫びでしょうかね。
 今回のケースでは、書き込みしたIDが簡単にわかり、ヤフージャパンに問い合わせれば(2ちゃんねるでルール無視の問い合わせをしたときと違って)簡単にIPアドレスなどが開示され、それを携帯電話会社やプロバイダに問い合わせればやはり簡単に開示するように現在はなっています。京都府警ハイテク以下略でなくとも、警察という看板さえあれば、どこだってできる仕事です。事件が発覚し、舞台がYahoo!知恵袋と聞いた段階で、少しネット事情に詳しい人なら誰でも「ああこりゃすぐに逮捕だな」と思ったはずですが、なんで1週間近くもかかったのか、その方が不思議です。
 京都府警といえばネット上の評判がきわめて悪いことでも知られます。同人誌作者逮捕時件では、事実上の誤認逮捕で善良な若き一市民の人生を滅茶苦茶にした上にコンテンツ産業を震撼させ、ハイテク犯罪対策室としてもWinny作者逮捕・木曽路権では、あまりに理不尽な姿勢が厳しく批判されました。ハイテクとは無関係ですが、舞鶴女子高生殺害事件でも、冤罪の可能性が指摘される中で別件逮捕による家宅捜索を続け、なんの物証も出てこなかったのに起訴に持ち込む(現在一審審理中)という、冤罪事件のパターンを見事に踏襲しています。今回の事件では、冤罪を疑う余地はあまりないのですが(某新聞社の誤報や社説見出しは別にして、府警のやり方としては)、立場の弱い未成年者に対していったいどんな取り調べが行われているか、十分に監視する必要があるでしょう。
 それにしても、極左過激派が横行していた時代の京都府警公安部にあったという《妙にアカデミックな雰囲気》とやらが、妙にファナティックな雰囲気に思えるのはわたしだけでしょうか。当時なら「コンピューター」とでも呼ばれただろう、任務を知識で片づけて人間味や想像力のかけらもなさそうなキャラクターハ。

誤報事件謝罪関連。

入試投稿事件、2日掲載の記事について - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/event/crime/494382/
【入試投稿事件】2日掲載の記事について - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110305/crm11030508270006-n1.htm / ウェブ魚拓 thx

 竹田徹・大阪編集長による謝罪記事です。大阪社会部は、産経新聞社の中で相対的にいちばんまともなセクションだと思っていたのですが、残念なことです。2日夕から任意聴取が始まり3日には事態が判明していたのですから、4日付でお詫びすることもできたはずなのに、なぜかこの謝罪は5日付になっています。
 この報道については、「京都府警は2日時点で、携帯電話契約者・容疑者を特定した」という情報は正しかったので、その点に限ればスクープです。しかし、「東京の2高校生」という情報を付け加えたために、大誤報となってしまいました。いったいこの間違った情報がどこから出てきたものなのか、謝罪記事にも説明がありません。ネットの噂では憶測混じりに「2人組」「東京の受験生(高校生)」などを含め、さまざまな情報が飛び交っていましたが、まさかそれらがソースではありますまい。ソース秘匿原則があるとはいえ、「なぜそうなったのか」を明らかにする責任が、報道機関として問われるところです。
 23時時点で関連づけしてるiza!ブロガーは1人だけ、それも産経側を擁護気味です。みんなや妻子なあ。


 この謝罪記事について、他社もひととおり報道しています。 共同通信毎日新聞朝日新聞日本経済新聞読売新聞ときれいに揃い、他に共同の配信記事らしいスポーツ紙や地方紙も並びます。内容はいずれも同じ、事実関係と謝罪記事のつまみ食いなので、特に読む必要はないと思いますが。まあこういうのは、こういう事件を引き起こしたときの慣例のようなものなので、今回も産経としては感受するしかないでしょう。