黙然日記(廃墟)

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産経抄の捕鯨観。

産経抄】2月20日 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/492456/
産経抄】2月20日 - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110220/plc11022002510001-n1.htm

 絶滅危惧種アホウドリを保護するため、住む島を引っ越させるという作戦についての話から始めているのはいいのです。そこから、テロ団体の妨害により調査捕鯨が中止に追い込まれた問題に話を持っていく途中に領土問題を絡め、「島を守れ」が結論では、あまりに視野狭窄の産経イズムと言わねばなりますまい。
 調査捕鯨は、なんのために行っているのか。いろいろあるにしても、建前としては、科学的調査のためです。科学的調査は継続的な統計を手段としており、ある年だけ中断しては統計データの価値が落ちることになります。その目的はもちろん、絶滅に瀕しているかもしれない鯨の生息状況を確認し、実際に危機に瀕しているなら保護しなければならない、という結論を導くためです(そうでなければ捕鯨してよい、という結論を科学的に導くためでもありますが)。環境テロリストは、この調査捕鯨の目的を無視しています。種族全体を保護するための貴重な犠牲として鯨たちの一部が捕獲さているのです。調査捕鯨の継続性が断たれたら、今年の分の統計は信頼性の低い無意味なものになります。どういうことかというと、今年これまでに捕獲された鯨は無駄死にになるのです。いまごろ勝ち誇っているだろう連中に、こうした警句のひとつも与えることこそ、捕鯨を守ることに繋がるのではないですか。鯨は、領土問題というでっかい釣り針に下げたエサではありません。