黙然日記(廃墟)

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抄子様の差別観。

産経抄】1月28日 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/488543/
産経抄】1月28日 - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/life/news/110128/trd11012803010058-n1.htm

 はー? 何様ですかー? 読みながらそう言いたいのをこらえていたのですが、ラストに到って本気で声を出しそうになりました。そもそも、韓国人が日本人をサル扱いしたとして*1、それが蔑視として成り立つのか疑問もあります。文中で触れられているように欧州では韓国人も日本人も同じ扱いなのですから。それより、特に対戦相手が第二次大戦で因縁のある国のとき、サッカーの応援に旭日旗を持ち込むなということをわたしは以前から主張しているんですが*2、あれはなんのつもりなんでしょうか。少なくともスタンドにいた連中については、自業自得だと考えます。
 前半の岡倉天心のエピソードは、倒置法を使って大失敗した意味不明な文章の好例ですが、差別に対する構図をよく表しています。意識的にせよ無意識的にせよ、自分を上に、相手を下に置くことで(客観的な現実とは逆の場合もあります)、差別が成り立ちます。このエピソードの、学生風と天心の、それぞれの心理を考えてみてください。相手と自分に上下関係を置くことが差別の源泉であることは、心ある人ならよくわかっているはずです。その差別の話をしているとき、無意識にせよこうまで俺様目線で自国中心主義に走れるというのは、いっそある種の才能ではないか、とすら感じます。あ、わたしも抄子を無意識に下に置いていますかね? 客観的に下であるな場合は、これはどうしようもないと思いますが。

*1:この筆者はサルとショウジョウの区別がついていないようですが。Apes, not Monkeys!

*2: d:id:pr3:20100711:1278860421 など。