黙然日記(廃墟)

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産経抄の原爆観。

産経抄】1月24日 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/487722/
産経抄】1月24日 - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/life/news/110124/trd11012403030023-n1.htm

 「わかった上であえてやるのがhumor」という考え方もありますが、それは確信に基づいて行われるものであり、抗議を受けて即座に謝罪するような姿勢ではありません(謝罪しなくていいという意味でもありません)。「ユーモア」の解釈はそう簡単に白黒つけられるものではありませんから、ここは保留します。また、原爆被害の救済には務めた米国人がいたことは、個人としての活動であって、米国全体とは区別して考えるべきでしょう。
 原爆投下の当事者である米国、その同盟国だった英国やソ連における核兵器への考え方は、被爆の当事者である日本とは異なる面がどうしてもあるかと思います。もちろんそこで、原爆投下を肯定することなく、被爆側の認識と一致させていくことが必要です*1。それは、重要である以上に、必要なことです。ただし、ここで「産経抄」が唐突に持ち出してきた、旧日本軍による英国人捕虜虐待(「産経抄」は「虐待」という言葉を使っていません)とは、これは切り離して考えることができます。少なくとも、結びつけて行って来いの関係ではありません。こっちが悪かったことは悪いと認識し、向こうが悪い点は認めさせるという、ごく当たり前の、フェアな関係です。
 なにはともあれ、今日の抄子はいったいなにを根拠として、ここまで上から目線を振り回すのでしょうか。おまえの手柄がなんかあったのかよ。むしろ、核の悲惨さを無視して使用容認論を押し出そうとしているのですから、なにも言う資格はありません。え、自主核武装論や先制攻撃論の立場ではない? 米国様の核を借りるにも報復攻撃に徹するにも、核兵器を使えといっていることに変わりはないんじゃないですか。とりあえず抄子は、《不謹慎な番組も、無知のなせる業といえる》とか偉そうなセリフは、まず自分の親会社に向かって言ってくださいね。

*1:欧州諸国で、「HIROSHIMA」という単語が「抽象的な核兵器の恐怖」という意味で使われ現実の「広島」と隔離しているような印象を受けているのですが、これはあまりに日本リビジョニズムでしょうか。