黙然日記(廃墟)

はてなダイアリー・黙然日記のミラーです。更新はありません。

産経オピニオン欄の恥知らず。他。

天皇陵の治定 科学だけで割り切れない - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/477372/

 12月23日天皇誕生日(ナショナル・デイ)であり、心からお祝いを申し上げます。このめでたき日に、「おめでとう」の言葉ひとつさえ、産経新聞オピニオン欄には見あたりません。閣僚が国旗に敬礼するかどうかなんてことより、はるかに重大な問題ではないでしょうか。今上におかれては、少なくとも一人の人間であるのに対し、国旗はただの布きれで、その理由だけでもまったく比較にならない問題です。尊敬する人、いささかなりと敬愛の念を抱く相手がお誕生日だと聞けば、「おめでとうございます」の一言も述べるのが、人として当たり前ではないですか。恥というものを知らないのでしょうか。それとも、まさか、この前提条件に当てはまらないのでお祝いのを部ないのでしょうか。
 天皇陵治定がどうやらかなり出鱈目であり、しかし宮内庁が科学的調査を拒んでいるという状況は、世界的な笑い者というべき状況です。いくら歴史が長いといっても、君主制で先祖を尊ぶ文化のある国で、歴代君主の陵墓がどこにあるのか正確にわからない、なんてところはどこにもありません。歴史の長さを誇れば誇るだけ、この事実は強調されてしまいます。また、神話部分を除いても世界最古の王朝であることは間違いないのですから。きちんと歴代天皇をお慰めできる仕組みを作り、神話は神話であるとはっきりさせることが、日本国と天皇制がが世界から本当に尊敬される唯一の手段です。神話時代を加上しなければ天皇制への尊敬が得られないかのような産経の言い分は、その意味でも大間違いです。

産経抄】12月23日 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/477386/

 南北軍事境界線近くのクリスマスイルミネーション点灯の許可を求めたのはソウル市内の宗教団体、汝矣島純福音教会だそうです*1。日本ではあまり知られていませんが、ペンテコステ派または純福音派 に属しギネスブック認定の世界最大の信徒数を誇るメガチャーチです。広く取ればキリスト教原理主義の一派であり、教義に対する批判も存在するようですが、例の団体とは直接関係ないようです。
 これを見れば、拉致被害者も日本のクリスマスを懐かしく思うだろう、という点には同意しますが、そんなやくたいもないことを言っていてもなんにもなりません。それと、拉致被害が発生したのは言うまでもなく1980年代初めまでですが、恋人たちがクリスマスイブを一緒に過ごす習慣が日本で定着したのは、80年代後半のように記憶しています。それまでのクリスマスは、おっさんたちが忘年会を兼ねて繁華街を飲み歩くものでした。
 朝鮮学校への補助金うんたらは昨日書いたこととかぶるのでツッコミは略しますが、補助金を打ち切れば拉致被害者が帰ってくるのかと。

ある「地球市民権力者」の専横 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/477374/

 「地球市民」という考え方に対する一部の人たちの憎悪は、それはそれはたいへんなものです。その一部の人である、古田博司筑波大学大学院教授の「正論」です。仙谷由人氏の公式サイトでは、「政治理念」のページ*2地球市民の視点が必要であることを強調していますが、「プロフィール」のページにはそんなことは書いてありません。「日本国民ではない」という記述は、当然どこにもありません。「日本国民である」という記述もありませんが、日本国衆議院議員あるいは日本国国務大臣なのですから、わざわざ国籍を述べる必要もないでしょう。日本代表チームメンバーの国籍をいちいち書かないのと同じです。地球市民と日本国民が両立するのは、日本国民と徳島県民が両立するのと同じぐらい、当たり前のことです。しかしこうしたサイトの記述を見て、《この人物はホームページで自らを日本国民ではなく、「地球市民」と規定している》としてしまう、古田氏のいつもの捏造癖からこの文章は始まります。
 9月7日に海上保安庁の巡視船にぶつかってきたのは、中国の《「民兵船」》なのだそうです。では、12月19日に韓国の巡視船にぶつかってきたのも「民兵船」なのでしょうか。いったいなぜそんなことを!? また、《わが国の領海を侵す第一歩として》ぶつかってきたという認識も非常に妙ちきりんなもので、巡視船が警告や追跡を始めた時点で、すでに領海侵犯は成立していました。なぜこういう当たり前の、普通の読者や産経の愛読者ですら疑問に思いそうな記述を、古田氏は平気で繰り返すのでしょうか。
 以下、ノンフィクション風の文章で、船長逮捕から釈放などの状況を記述しているのですが*3、いったいなんの根拠があってここまで断定口調で書いているのか、さっぱりわかりません。永田町を駆け回って取材している、たとえば石橋文登記者が、見てきたような小説風の記事を書くのは、まだ理解できます。取材記者として、「事実はこうだったに違いない」という確信があるのでしょう。しかし古田氏は大学教授です。専門は現代政治学でも報道論でもありません。いったいいつ、官邸内部や仙谷氏の内心を取材したのでしょうか。本当に取材していたというなら、こんな史学専攻の教授がいるなら、筑波大学事業仕分け対象にするべきです。取材せずに伝聞情報でこんなことを堂々と社会の公器に書いているなら、やはり筑波大学は名誉のために、古田教授を適切に対処するべきです。
 この調子でやっていると夜が明けてしまうのですが、だらだらと事実(と称しているもの)を書き連ねつつ、その合間に自らの主観と偏見をたっっっっぷり盛り込むこの手法は、まるで三流匿名ライターの手法です。一流大学の教授が全国紙の看板コラムに書くような代物ではないのですが、なぜ古田氏は、いつまでもこんなことを続けるのでしょうか。過去にさんざん似たような恥を掻いてきたため、すでに引っ込みがつかなくなってしまったのです。いや、もちろんこれは完全に憶測ですが。

*1:中央日報 - 北朝鮮を最も刺激する「愛妓峰灯塔」点灯へ http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=135778&servcode=200§code=200

*2: http://y-sengoku.com/01rinen.html

*3:《〔訪中した議員が〕映像を見せて非公開の要求を中国側からあえて引き出したと見る方が自然であろう》という、まことに不自然な推測も出てきて、ここだけは別口で突っ込んでおきます。