黙然日記(廃墟)

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産経「正論」、ころころ動く。他。

民主党逆風は中国べったり路線 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/477021/

 22日付、屋山太郎氏の「正論」です。政権交代直後は、おもに行政改革・公務員改革方面について民主党政権を支持するようなことばかり書いていたので、かなり奇異に感じたものですが、もうすっかり元に戻ってしまったようです。まあこれは、屋山氏ばかりの責任ではないでしょうが。その、民主党が支持を失った理由について、「政治とカネ」の問題はともかく、見出しのとおり外交姿勢に求めています。外交面の問題も確かにありますが、中国に対して「毅然とした態度」を取れないこと以上に、米国に対する姿勢にも同じことが言えるのではないでしょうか*1。しかし屋山氏はそこをまったく無視して、むしろ逆だと唱えているわけです。どうも屋山氏は、民主党政権が親中だからというより、反米だからという理由で批判しているように見えるのですが、それならそれとはっきり見出しなどにも示すべきでしょう。《国民は小沢氏を卑怯(ひきょう)で潔くない人物とみるだろう》という批判が、そのまま当てはまってしまいそうな気がします。
 また屋山氏は、小沢一郎氏の「第七艦隊」発言を、鳩山政権における普天間飛行場移設問題と並べていますが、これは小沢氏が代表だった2009年2月〜3月ごろに問題視された発言で、もちろん鳩山政権成立前、民主党が野党だった時期です。この発言が鳩山政権の支持率に影響を与えたという発想は、どこから出てきたのでしょうか。もしかしたら、屋山氏が第七艦隊発言を知ったのがたまたまこの時期だったとか、その時期に小沢氏の過去の発言をやたら掘り返して周囲に言いふらしてた人がいたとか、そんなところなのでしょうか。そういえばアルファブロガー……いやなんでもないです。

平壌研修補助 この公金支出は憲法違反 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/476582/

 21日付ですが「主張」。平壌訪問といえば、11月23日の砲撃当日に平壌から生還したElekt_raさんを思い出すわけですが*2。よくぞご無事で。いやほんとに、今回はタイミング的にも状況的にもぎりぎりセーフでしたが、北朝鮮を日本人が訪問しても、いつ「敵国人は国境で足止め」なんてことになるかもわからないですし。
 それはともかく「主張」の内容は、要するに例によって「朝鮮学校補助金を支出するのはうんたらがーたら」というだけの話です。その目的が授業料補助などでも平壌研修でも、結局は同じ問題でしょう。こんなに何回も社説で取り上げても、産経新聞の社論があまりにファナティックであることが世間に知られるだけですよ。

*1:たとえば12日放送のフジテレビ系「新報道2001」の調査 http://www.fujitv.co.jp/b_hp/shin2001/chousa/2008/101212.html では、普天間問題の解決に「沖縄の民意を優先すべき」という意見が「日米合意優先」とほぼ拮抗しています。

*2: d:id:Elekt_ra:20101125:1290687738 から、現在も当時の旅行記を連載中です。しかしこのエントリを見たときは、本気で腰を抜かしましたよ。