黙然日記(廃墟)

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産経コラムの礼節観。他。

菅政権 皇室への敬愛欠く「蛤(はまぐり)の変」 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/470730/

 4日付、榊原智記者の【菅政権考】。《礼節こそが、人と禽獣を区別するものではなかったか》。まったくそのとおりです。それでは、他人様が親からもらった名前について、安易な罵倒をすることが、いったい礼節にかなっているのでしょうか。あとは何を偉そうにお説教しても、なんの説得力もありません。
 中井洽氏の名前の文字が珍しいものなのはたしかで、わたしも中井氏の閣僚就任当時に辞書登録するまで知らない漢字でした。この字が「蛤」と旁が共通し連想しやすいのも確かでしょう。榊原記者はこれが、中井氏の政界における《ニックネーム》であり、《蛤の変》も公明党幹部の発言としていますが、いったいどれほどの親しみの意をこめて使われる「ニックネーム」なのでしょうか。ネットでもしばしば「中井ハマグリ」という文字は見かけますが、ほとんどは中井氏に批判的な、陰口的表現でした。とても、親しみを込めたニックネームとは思えません。今まで、マスコミに使われた例もほとんどなかったのは、公に呼びかけるタイプの「ニックネーム」ではなかった証左ではないでしょうか。検索してみると同じ4日付のサンケイスポーツ「甘口辛口」が出てくるのみです*1。まさか申し合わせて産経系でこの表現を使い始めたわけではないでしょうね。

W杯招致惨敗 国を挙げて努力したのか - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/470637/

 4日付「主張」。まあしょうがないというか、そんな感想です。政府代表が副大臣では、という指摘ももっともで、高円宮殿下がお元気でいらしたら、とつい考えてしまいますが、こればかりはしかたありません。国民的盛り上がりに欠けたのも事実ですが、なによりの理由は、前回から時間が経っていなさすぎることでしょう。2002年に生まれた子役タレントをプレゼンに起用したそうですが、見る人々に「まだ8年しか経っていないのか」という印象を与える、逆効果だったのではないでしょうか(12年後の大会を今決めるFIFAの方も無茶だなあ、と思うわけですが)。国民が盛り上がらなかったのも、キャンペーン不足の側面はありますが、「こないだやったばかりじゃん」という感覚が大きかったと思います。ていうか正直、つい最近まで、本気で招致しようとしているとは思ってませんでした。FIFAワールドカップやオリンピックといったビッグイベントは、おおむね大陸間・タイムゾーン間の回り持ちが暗黙の了解になっていて、アジア連盟の出番はどんなに早くても12年から20年、あるいはそれ以上のスパンが必要です。前回2002年が東アジアだったので、今度は西アジアというのも、納得できる判断です。日韓共催になった経緯を覚えている方も多いでしょうが、両国がガチ勝負で初開催を争い収拾がつかなくなっていたので、決定直前に奇策として提案され、「共催が嫌ならどっちも落とすぞ」といわんばかりの姿勢に、渋々受け入れたもので下。やむを得ない判断だったとは思います。今回も日本と韓国がそれぞれ「初の単独開催」を掲げて立候補しており、どちらかを選べばもう一方の機会は数十年後ということで、やはり禍根の残る状況でした。2034年以後だと中国も名乗りを上げてきそうですが、東アジア全体のサッカー文化普及を考えれば、今回は軽く手を挙げながら韓国やカタールに譲っておいて、貸しを作った方が得な状況ではありました。
 まあそんなわけで、今回の招致“失敗”は、日本サッカー協会の戦略ミスまたは見通しの甘さが原因だろうと考えています。2022年カタール大会での(もちろん14ブラジル、18ロシアの両大会でも)、日本代表の活躍に期待しましょう。ドーハで勝つんだ。

*1: http://sankei.jp.msn.com/entertainments/entertainers/101202/tnr1012021222006-n1.htm 。しかし「菅政権考」も本来SANKEI EXPRESS掲載だったはずですが、いつのまにMSN産経ニュースで配信されるようになったのでしょう。