黙然日記(廃墟)

はてなダイアリー・黙然日記のミラーです。更新はありません。

産経の言論封殺キャンペーン。他。

漫画児童ポルノ条例改正案 ちばさんら改めて反対 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/localpolicy/468912/

 産経はあいかわらず、読者の神経を逆撫ですることだけはうまいですね。どちらの方向を狙っているにせよ。なんだよ《漫画児童ポルノ》って。どういう意味で使ってるのか、きちんと説明してみせろよ。
 一見美辞麗句に彩られた規制案だけど、ちばてつや氏や秋本治氏、やまさき十三氏といったベテランマンガ家がこれだけ反対するからには、もしかしたらとんでもないことなのでは。と普通の人たちが考えてくれればよいと思います。そういう意味で、ベテランマンガ家の皆さんによる今回の声明は、非常に心強いところです。一方でちば氏の指摘する、《一番心配なのは、漫画やアニメーションをつくろうとする若者たちが(規制に対して)非常に萎縮していること。自由な表現ができる中で初めて文化が育つ》という点も気になります。

政府も党も「話さない」 民主、説明放棄が横行  - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/465971/

やっぱり進んだ言論封殺 各地で発言控える動き相次ぐ - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/467986/

 「対馬が危ない!」「与那国島が危ない!」「水が危ない!」などに続き、産経新聞が今度は【自由が危ない】なるキャンペーンを始めた模様です。見落としておりましたが、上は22日付の阿比留瑠比記者と佐々木美恵記者による記事、下は27日付の小島優記者による記事です。
 産経新聞がついに、言論の自由を求めて立ち上がったか、と一瞬思ったのですが、どうも様子が変です。どうやら、「民主党政権になったらやっぱり言論封殺が始まった」という趣旨らしいのですが、民主党保守二大政党を目指して結成された政党)とソ連や中国の社会主義体制との区別がついていないようです。なんでこんなのが全国紙を名乗っているのかなあ……。
 22日記事は、菅直人首相らの記者会見やぶら下がり取材への姿勢についてです。質疑打ち切りや「ノーコメント」の連発は、政治家の会見ではずっとあったもののように思います。朝鮮学校無償化に関する第三者委員会のメンバー非公開は、何度も指摘されていますが、公開したらどういう危険があるのかも産経記者には想像できないのでしょうか。菅政権の姿勢にいくつか批判できる点はあり、特に記者会見のオープン化が進んでいない点には強い不満がありますが、これを「自由が危ない!」と言い張るのは無理がありすぎます。
 27日記事は、「自衛隊のイベントで政府批判をする非常識な人はご遠慮願うように」という事務次官通達に噛みついています。公務員が政府の方針に反発していたら困るのは当然で、言論統制とは関係ありません。過去、特に自民党政権時代に、自治労などの動きを猛然と批判していた産経は、言論封殺に荷担していたということになるのでしょうか。ましてこの通達の対象は、自衛隊という暴力装置です(鍵括弧なし)。記事中で紹介されている25日の入間基地関連イベントで、入間基地司令が代理を立てて欠席したのは、萎縮というより、現政府の方針に異を唱えるサボタージュではないのですか。ていうかその後の講演会に田母神俊雄氏を呼んだというのは、いったいどういうつもりなんでしょうか。自衛隊が明確な命令違反を犯したという、重大問題ではないのですか。実際には田母神氏の講演に自衛官は全員欠席したようですが、10日やそこらで講演のスケジュールを変えられないとしたら、その判断で当然です。
 このキャンペーン、いったいどこまでやるつもりなのかわかりませんが、産経が「暴力装置」の間違った意味を広めようとしているのと同じように、「言論の自由」を間違った意味で広めようとしているのでなければ幸いです。単に理解力の不足で間違ったキャンペーンを始めたというなら、それに越したことはないのですが。

北海道の森林 外資が33カ所取得 自衛隊施設望む高台も - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/467946/

 「水が危ない!」もいまだにやっているので、27日付記事をいちおう。見出しなどでは外国に買われた森林が「33箇所」なのに、本文には、その一部であるはずの《治安維持施設周辺で外資が取得した森林は27市町村で54件》とか出てきて、ばからしくて追求する気にもなれません。どう見ても産経クオリティ。

三島的「伝統保守」への回帰はっきり 憂国忌- イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/natnews/topics/468318/

 25日行われた、40年目の憂国忌を伝える27日付・磨井慎吾記者による【集う】です。桜桃忌など、他の小説家の追悼行事と同じように、作家としての三島の生涯に思いをいたすものかと思っていたのですが、どうもそうではないようなので驚きました。最期が最期ですから、あるていどはしかたないと思いますが、『豊穣の海』や『潮騒』の話題はカケラも出なかったのでしょうか。発言を紹介されているのが、三島由紀夫文学館の松本徹館長はいいとして、井尻千男拓殖大学名誉教授と遠藤浩一拓殖大学教授というのは、なんかのギャグなのでしょうか。追悼集会の記事にギャグはふさわしくないと思います。
 記事にもあるように「保守回帰」が言われる日本ですが、三島が望んだ「保守」の形は、ほんとうにこういうものだったのでしょうか。

沖縄知事選 元空自司令「日米関係に変化望まず」 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/localpolicy/468576/
航空自衛隊南西航空混成団司令、佐藤守氏の話 〔以下全部略〕

 ……いやまあ、見出しに嘘は書いてありませんが。なんで真っ先にわざわざ佐藤氏のコメントを取りに行くのかも、謎です。