黙然日記(廃墟)

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産経「主張」の2年半。

仙谷官房長官 「問責」可決の意味は重い - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/467988/
 問責決議案の可決は、閣僚として不適格との判断を一院が示すもので、その意味は重い。

 2010年11月27日の産経新聞「主張」です。
 それではここで、2008年6月12日付「主張」を見てみましょう。

【主張】首相問責決議 不毛な民主党の対決路線  - MSN産経ニュース 〔Web魚拓〕
http://megalodon.jp/2008-0612-0932-30/sankei.jp.msn.com/politics/policy/080612/plc0806120214002-n1.htm
 両院の一方が、内閣を否定するに等しい意思を示した。だが、問責決議は衆院の内閣不信任案と異なり、憲法上規定されていない。法的拘束力はない。

 うんうん、がんばってますね。
 2010年バージョンの話に戻りますが、《特に問題なのは、仙谷氏が自衛隊を「暴力装置」と発言したことだ》そうです。あいかわらずばかなこと言ってるなあ、と思ったら、これは昨日のコメント欄でD503さんも指摘されていましたが、問責決議もそうなっているので驚きます*1。これ、正式な国会決議として記録に残ってしまうんですよ。このままだと、1世紀にわたって定着してきた「暴力装置」という学術用語が、日本においてだけ別の意味で定着することになりかねない、実に憂うべき事態なのですが、その責任はいったい誰が取るというのでしょう。
 その他にも、問責決議の文章にある《ビデオを長期間非公開とし、貴重な外交カードを失った》という表現が、わかりません。「公開すればカードとして使えた」ということでしょうが、中国漁船側からぶつけてきたことは、国際的には日本の主張が通っており、いまさら証拠が必要だったとは思えません。「公開しないこと」「しかしいつでも公開できる用意があると示すこと」の方が「外交カード」としては有効なのであって、自民党はそこまで外交音痴で政権担当能力に欠ける政党だったのでしょうか(疑問形にする必要はないかな)。
 仙谷由人氏が内閣官房長官として最適任だ、辞めさせるなんてとんでもない、とまで思っているわけではありませんが、自民党はじめ野党のレベルの低さを改めて思い知らされる今回の決議でした。下野なう新聞については、改めて思い知るまでもないですが。