黙然日記(廃墟)

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産経、国民の生命と安全を重視する。他。

首相官邸 危機管理がなっていない - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/467497/

 26日付「主張」。菅直人首相が宮中行事に出席したために関係閣僚会議開催や政府見解発表が遅れたことに、どう言及するかに注目していたのですが、新嘗祭より《国民の生命・安全を守ることが国家の最大の責務である》と来ました。産経はとんでもない反日メディアだと判明したわけです。てゆうか、産経「主張」がそんなに国民の生命・安全を重視しているとは、今までちっとも知りませんでしたよ。
 閣僚らの動きも含めていろいろ批判しており、一部は正しいと思うのですが、どうも産経の(あるいは他紙も含めて)報道を見ていると、いくつかの疑問が沸いてきます。岡崎トミ子国家公安委員長の行動はやたら批判されていますが、北沢俊美防衛大臣の行動は、ほとんど報じられません(当日17時過ぎに防衛省入りした模様)。前原誠司外務大臣は訪豪中でしたが、留守を預かる伴野豊副大臣松本剛明副大臣がどうしていたかという報道はまったくありません。まさか、17時過ぎまで官邸に「閣僚が」誰もいなかったから指示する者がいなかった、という話は、代理である副大臣の存在を無視したものではないでしょうね。

産経抄】11月26日 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/467496/

 こちらも官邸の対応批判です。昨日と似た、江戸の庶民生活に関する話をマクラにしていて、同じ筆者でしょうかね。
 「火事と喧嘩は江戸の華」と言いますが、江戸は火事の多い町でした。庶民生活はもちろん、経済システムさえ「一定のペースで火事が起きる」ことを前提としていたふしがあります。江戸の落語に出てくる熊さん八っつぁんは、たいてい大工という設定です。もちろん落語だけを参考にはできませんが、大工ばかりいる町というのも変ですよね。現在の23区中心部に相当する狭い範囲で(上野、新宿、品川あたりはもう「江戸」の範囲外でした)、建築需要が非常に旺盛だったのです。そのためにはスクラップ&ビルドが必要ですが、スクラップを担当していたのが、定期的といえるぐらいに起きる火災でした。長屋などは数年で燃えることを前提に作られるので、たまに火事のない時期が続くとがたがたになってしまったそうです。
 そうした、火事に慣れた人々の行動と、戦争に慣れていない現代日本を、「それでいいのか」という問題提起はありえるとしても、単純に比較するのもどうかと思います。

脅威迫る中、また「米軍帰れ」か - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/467498/

 26日付「正論」。杏林大学拓殖大学ではありません)名誉教授の田久保忠衛氏は、日本国が多民族国家であり、大和民族琉球民族の視点が違う*1という当たり前のことを、どうしても理解できないようです。
 今回の沖縄県知事選挙で、有力2候補がいずれも「県外移設」を唱えているのは、「県内容認」では県民の支持を得られず絶対に当選できないから、という構図であることも、これは理解できないのか、理解しつつ無視しているのかは不明ですが。
 田久保氏は、このような県民の認識をもたらした沖縄の地元2紙を特に非難しています。まあこんな文章が産経新聞に載っても、ほとんど沖縄県内に影響力はありませんけどね*2

*1:大和民族の視点も一枚岩ではなく、あるいはたとえば薩摩隼人は単独の民族として数えるべきかなど、様々な問題はありますが。

*2:ただ、いくら産経の部数が沖縄県内で数百部といっても、このようにネットで読めるようになった時代には、以前とは比較にならない影響力があるのも確かです。