黙然日記(廃墟)

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産経、煽る。他。

【40×40】河添恵子 「ヌケガラ内閣」に任せられぬ (1/2ページ) - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/101125/stt1011250719002-n1.htm

 例の「暴力装置」発言を批判する、おなじみ河添氏のコラムです。ああ、この人は、なにか政治的主張のために政権を批判しているとか、現場の声を政治に反映させるために物申しているとか、そういうんじゃないんですね。ただ単純に、ひたすら、一直線に、一切のブレもなく、頭が悪いだけなんですねえ……。
 気になったのが、《「人命より重いのが自衛隊の使命という言葉を聞いたから」》この道を選んだ、という自衛隊員の発言です。いくつか表現を変えて検索してみましたが、このコラムしか出てきませんでした。少なくとも゛自衛隊内で広まっているスローガンの類というわけではないのでしょう。一人の自衛隊員がそのように認識しているだけなら、その個人を責めようとは思いません。しかし、このような認識が自衛隊員の間に広まっているとしたら、それは悪い意味の、産経「主張」や河添氏らがデマとして広めようとしている意味での「暴力装置」となりかねません。――自衛隊が、国民の命を守らずに、何を守ろうとするのでしょうか。この文章を見たときには、本当に血の気が引きました。もしこれが河添氏の書き間違いや捏造であったら、どんなに良いかと思います。

首相、初動の遅れ批判に「迅速な対応とれた」北砲撃 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/467155/

 昨日のエントリでも指摘したし、この首相答弁にも含まれているように、関係閣僚会議の遅れは宮中行事を優先したためのものです。それを直接非難できない産経は《最初の砲撃から8時間以上経過した午後9時ごろから初めての関係閣僚会議を開催》と、細かく話を捏造して初動の遅れを強調しています。午後9時(21時)の8時間以上前というと午後12時半あたりですが、砲撃が始まったのは午後2時半(14時半)で、関係閣僚会議の開催までは6時間と少しですよね。どこから《8時間以上経過》という計算が出てきたのでしょうか。ちなみにそのうち3時間が新嘗祭のためのロスです。なお、日本で報道があったのは15時半ごろと記憶しています*1。首相が官邸ルートではなく報道で事実を知ったというのは問題ですが、それはまた別の問題です。第一報から実質2時間半で会議開催に到ったのなら、それほど悪くない成績だと思いますが。

産経抄】11月25日 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/467123/

 落語『堪忍袋』にかけて砲撃事件を取り上げています。コラムとしてはだいたいいいのですが。韓国軍の黄海での演習への対抗というのは、北朝鮮側の明らかな口実なのに、まるでその妥当性を認めたようなことを書いているのは、なんのつもりでしょうか。いろいろな意味で疑問です。

朝鮮学校無償化 問題は対北認識の甘さだ - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/467109/

 25日付「主張」。もう1本の「主張」*2は日米韓首脳電話会談で協力体制を確認したことについてで、今朝の時点では、政権批判へ振り上げた拳の下ろしどころに困っているような印象も受けますが、まあまあ大過ありません。こちらの朝鮮学校無償化問題では、得意の分野で大活躍です。
 《問われているのは、菅直人政権の対北認識の甘さとご都合主義である》。他の制裁手段が手詰まり名ものだから、手をつけやすいところから手をつける、指摘のとおりご都合主義になっているのは確かです。要するにいわゆる「ブレている」状態が問題なわけです。ところが、たまたま自分たちが強く望んできた方向にブレたものだから、その点をまともに指摘できていないのです。
 「無償化に反対があっても必要だから通す」という姿勢だったものが、ここでブレるものだから、産経なんかが「そらみろ、やはり反対論が正しかったのだ」と調子に乗ってしまうわけで、このブレの責任は重大と言えましょう。

挑発レベル挙げた北朝鮮、次は何を - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/korea/467058/

日本全土を射程 北朝鮮がムスダン発射準備 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/467105/

 「主張」が割とおとなしいと思ったら、こちらでは煽ってきましたねえ。いずれも25日に日付が変わる前後の記事。レベルは「上げる」ものじゃないのか、とツッコみたくなる方の記事は名村隆寛記者、下は無署名記事です。
 隣国で紛争が起きたとき、「国民は状況を見極めて冷静に対応を」と呼びかけるか、あるいは事態を過大視して危機感を煽るかで、そのメディアの品格が問われるのではないでしょうか。