黙然日記(廃墟)

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産経抄の幼児教育観が本気で謎。

産経抄】11月3日 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/458761/

 新興住宅街で育ったためか近所のお母さんは専業主婦ばかりで、子供たちはみんな幼稚園に通っていました。小学校に入ってできた友達と話していて、「これ保育園で習った」と言われ、「ほいくえんってナニ? おまえ幼稚園行ってないの!?」と、ものすごくびっくりした記憶があります。むこうにしてみれば、保育所に行かずなにをやってたんだ、という感覚だったかもしれません*1 *2
 幼稚園と保育所の規制を撤廃する「幼保一元化」の案を内閣府がまとめたことが、どうやら抄子にとっては北方領土尖閣諸島の領土問題と並ぶ大問題のようなのです。いや、わたしもそう思いますが(ただし逆の意味で)、従来の論調からみるとかなり奇異な印象を受けます。こんなのは昭和の時代から提案されていたことであり、“小泉改革”でも手をつけていたはずですが、まるで形にならなかったものが、政権交代から1年以上を経てやっと「案」がまとまった、というだけの話なのですが。
 どうも産経は、あるいは自民党清和会の文教族教育基本法改悪を成し遂げた安倍晋三政権の面々)は、その発想の根本に「エリート教育の推進」がありそうな気がします。幼児教育を含めた教育課程に、一般大衆コースとエリートコースを制度的に設けることが目的なのではないかと思える節が多いのですが、それでなんのメリットがあるのかはさっぱりわかりません。これは、「少数の金持ちと大多数の貧乏人がいれば国全体が豊かになる」という新自由主義の思想とも通底しているのでしょうが、やはり理解不能です。

*1:「幼稚園に『おひるねのじかん』がある」と思っている人がけっこういるようで、大人になってからも驚くことがあります。

*2:11/4追記:コメント欄での遜蘋さんのご指摘によると、時代によってあるいは園によっては、幼稚園でも年少組に「おひるねのじかん」を作る例があるようです。ていうか自分も数十年前の話で、しかも年少組での記憶がほとんどないので、そう言われるとかなり自信がなくなってきました……。