黙然日記(廃墟)

はてなダイアリー・黙然日記のミラーです。更新はありません。

産経鳶が鷹を生む。他。

安倍元首相訪台 馬総統、尖閣問題で「感情的対応回避を」 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/china/457835/

 仮にも元首相ですから(安倍晋三氏が元首相であるというレッテルを、日本国はこの後永遠に背負うことになっているのです)、羽田直通便開設のレセプション出席みたいな親善外交には、使い勝手がいい存在です。といっても、訪問先を間違えるととんでもないことになりかねないので、台湾訪問ぐらいにしか期待できないか。
 この訪台は、他に日経と時事ぐらいしか報じていませんが、産経の記事がいちばん詳しいものです。いずれにしても馬英九総統の、尖閣諸島の領有権を主張する立場であるが少なくとも今回は局外中立の意志を示した発言が重要です。ニュースの主役は馬総統であって、安倍氏ではありません。李登輝元総統とも懇談したとか、ましてその話の内容を報じる意味があるのでしょうか。日本の特定一部の人々にとって、李氏も安倍氏もなにやらシンボル的な存在らしいので、彼らに向けてはたいへん高いニュースバリューがあるのかもしれませんが。それにしても余所事ながら、《李元総統は会談で「尖閣諸島の領有権は日本にある」と明言》とかしちゃって大丈夫なんでしょうか。反華元総統とか非難されたりしないのでしょうか。

露大統領訪問 日本の対露外交、重大な試練に直面 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/europe/457985/

 てなわけでこの11月からは、南西に続いて北東の領土問題も(少なくとも産経紙面では)盛り上がりそうです。そのへんはゆっくり観察していきますしょう。上記の李氏発言もそうなのですが、「立場を入れ替えて考えてみる」ということを、産経オピニオンはできるかどうか、というあたりも含めて。

【今、何が問題なのか】その後の彼らの発言 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/america/458008/

 内畠嗣雅編集委員によるSANKEI EXPRESSの解説コーナーです。このコーナーは毎回、「なぜこれを『今』の『問題』として取り上げるのか」と疑問に思うことが多いのですが、今日の分は、もしかしたらこうかな、と思い当たる節がありました。
 米国で、ユダヤあるいはイスラムに関する差別的発言でジャーナリストが地位を追われる例が続いている、という問題の、その後をまとめた記事です。やはりなぜ「今」なのかはわかりませんが、産経本紙の10月25日付に掲載された記事への反応なのかもしれません。ムスリムへの差別的発言で馘になった保守派記者について報じた、古森義久氏の記事のことです*1
 古森氏の記事はまるで、イスラム教に否定的な発言をすると言論弾圧される、とでも言いたげな雰囲気でしたが、実は反ユダヤ的な発言(「イスラエルパレスチナ人に土地を返すべき」「放送業界を支配しているのはユダヤ系」など)を理由に、理不尽とも思えるかたちで地位を追われてしまったジャーナリストの例も多いことを指摘するものです。ちなみに、古森記事の主役である元NPR記者は、そのまま問題発言の場であるFOXテレビに移籍して、言論活動を行っているそうです。
 なるほどこれは、「今、何が問題なのか」ですね。古森記事がEXに転載されていたかは確認していませんが、良い記事であると思います。

【エディターズEye】教育の健全性維持へ 正確な実態把握を - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/natnews/education/458042/

 もうひとつSANKEI EXPRESSから、櫛田寿宏記者のコラム。先日発表された「学校内外での児童・生徒による暴力行為」の統計が、いかにあてにならないものかを解説しています。《けんかが1つあったら1件と数える学校と、けんかの際に生徒が3発殴ったら3件と数える学校があったという》って、なにそれ。後者のカウント方法がおかしい、というのはともかく、これでは統計の体をなしていません。これを元に産経本紙は(というか大半のメディアもそうでしたが)「キレる子供が増えた」とか報じていたわけです。産経新聞本紙から派生したEXは、ウォッチ的に非常に面白いコラムも多いのですが、まともなコラムもけっこうあるものですね。