黙然日記(廃墟)

はてなダイアリー・黙然日記のミラーです。更新はありません。

産経「主張」の指切り観。他。

産経記者ら「前線取調室」に拘束 中国デモ取材で - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/china/454671/

 四川省でデモを取材しようとしていた、産経新聞上海支局の河崎真澄記者やNHKの取材班など、海外メディアの記者・スタッフ5〜6人が、当局に数時間拘束されたそうです。これはあきらかに(違法ではないとしても)無法な取材妨害であり、中国における報道の自由の確立をあらためて強く望みます。
 「言論統制はできる相談」でおなじみの産経新聞や、慰安婦問題ドキュメンタリーの放映前に与党最右派の実力者であった安倍晋三中川昭一両氏にお伺いを立てに行ったNHKが、とか言えば言えるのですが、やはりこれは深刻な問題なので、正面から受け止めるべきでしょう。こうした問題は、他社もきちんと報じてほしいものです。
 ところでそれはそれとして、やはりツッコミは必要です。表向きの“拘束”理由は「デモから日本人の安全を確保するため」としていて、これが取材陣を拘束するための単なる口実に過ぎないのは確実ですが、それに対して《〔拘束されたのは〕日本人記者で、旅行者などはいなかった》とかボケる河崎記者も、いかがなものでしょうか。旅行者なんかいたのかよ。

東シナ海ガス田 探査船派遣を躊躇するな - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/454506/

 23日「主張」。「あの子が約束破ったから僕もやる」という、たいへん子供じみた主張です。
 民主党内でもタカ派として知られる(しかし最右派ではない)前原誠司外相に対して、無闇な期待をかけているようですが、これもそのへんの右派ブロガーの言っているようなことと変わりません。

尖閣問題 前原外相まで「弱腰」か - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/diplomacy/454591/

 で、同じ日の【政治部遊軍・高橋昌之のとっておき】は、こんなテーマです。高橋記者のこのコラムは、だらだら長いのに内容はすかすかで、ウォッチの目的がなければ退屈きわまりなく、たいていは無視しているのですが、今回もそんな感じです。なにやら、外相の記者会見で「産経ネタ」を持ち出しけんもほろろにされたことを恨んでいるらしく、記者会見のやりとりを長々と引用していますが、相手にされなくて当たり前としか見えません*1。記者会見に時間制限を設けたことにも不満らしく、《現状は「クローズな政治」になっているようです》と愚痴をたれていますが、他省庁と比較しても現在の外務省は、岡田克也前大臣の時代から記者会見などに積極的にオープンな姿勢を取り入れてて、大臣会見でもフリーランスの記者が質問している場面が見られます。記者クラブ制度維持に熱心な産経の記者が、まだオープンでないとクレームをつけるとは、不思議な話ですね。

*1:参考:外務省「外務省: 外務大臣会見記録(要旨)(平成22年10月)」より、該当部分 http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/kaiken/gaisho/g_1010.html#5-B