黙然日記(廃墟)

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産経「主張」の後継者観。

【主張】「習近平の中国」 軍の影響力増大が心配だ - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/world/china/101019/chn1010190244003-n1.htm

 19日「主張」。習近平氏は、今までも胡錦濤国家主席の後継者候補最有力戸とされきましたが、ほぼ確実になったようです。ぶっちゃけ、独裁政党内部の権力継承システムというのはよくわからんのですが、各社一斉に報じているのでそうなのでしょう。
 習氏といえば、昨年12月の訪日のことがやはり思い出されます。天皇陛下ご会見をセッティングした小沢一郎民主党幹事長(当時)に対して産経は、手続き上の問題をことさらに取り上げ、あたかも国賊であるかのように非難していたもので下。もう懐かしい話ですね。「主張」はもちろんこの件を持ち出し、《これ〔30日前ルール〕を無視した強引な設定がなされたことでこわもてのイメージがつきまとう》とおそれています。ここの主語は小沢氏ではなく習氏で、ここには小沢氏のおの字も出てきません。「こわもて」は小沢氏によく使われる形容ですが、もしかしたら「主張」は、習氏と小沢氏を同一人物だと思っているのでしょうか。
 世界有数の大国を率いようという習氏は、ソフトなイメージだけではない、けっして甘く見てはならない人物でしょうが、ゴリゴリの対日強硬派でもなさそうです。強硬派だったら、そもそも日本で天皇と会見することがありえないでしょう。北朝鮮大使館の祝賀会で中朝友好を唱えたって、唱えない方がおかしくありませんか。
 太子党世襲組)であり軍の支持を得ていると同時に、上海閥にも近いとされることは、開放路線を受け継ぐと見るのが普通です(警戒は必要ですが)。だいたい、あそこまで行っちゃった中国をいまさら毛沢東思想で締め付けられるわけがなく、それに近い部分の破綻は現在の抗日デモにも現れてしまっているわけですが、いったいどんな事態を想定しているのかがわかりません。危険そうなキーワードを並べて見せただけではないのでしょうか。