黙然日記(廃墟)

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産経「主張」、愛国教育を非難する。

 iza!の上部バナーが最近、meet-me以外は自社広告ばかりで、他人事ながら心配です。他人事ですが。

中国の反日デモ 誤った「愛国」教育を憂う - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/452483/

 18日付「主張」。昨日に続いて「お前が言うな」な見出しだなあ、と思ったら、冒頭いきなり《またか、である》で始まっていて、笑ってしまいました。《1980年代以降の徹底した「愛国」教育に染まった学生たち》《事実にふたをして、一方的な歴史観に基づいた愛国教育を推し進めた結果》など、面白いように鏡に向けた攻撃を続けているのですが、笑ってばかりはいられません。
 まずなんにしても、中国の反日デモが、暴力傾向を強めていることを憂います。最初はガス抜きや対日パフォーマンスだった官製デモが、やがて当局のコントロールを超えて暴徒化していった例は、2005年のときと似ています。さらに言うと、1989年天安門事件のときも、最初は一定範囲のガス抜きの意味で行われていたものが、(05年また今回と違い対象が政府そのものだったこともあり)完全に制御不能に陥ったあげくの悲劇だったことを思い出さざるを得ません。根本的にはもちろん、ガス抜きが必要になるような統制社会を維持しようとする権力当局側が悪いのですが。
 日本においては、反中デモを行った側が、日本のメディアでは反日デモばかり取り上げられていて反中デモが無視されている、報道規制だ、と吹き上がっているようなんですが、基本的に言い分がアレなのでほっときます。いい悪いは別にして、身内の恥は隠すのが日本の伝統、とだけ言っておきます。
 「主張」は国際社会へのアピールを強調していますが、そういうわけで、日本の反中デモに関して注文があります。中国大使館にデモをかけるなら、劉暁波氏の釈放を訴えてはどうでしょう。そうしたら確実に世界中のメディアが報道してくれます。日本の“一般国民の声”は、そこには到っていないのかな。