黙然日記(廃墟)

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産経、可能性を検討せず。

対中姿勢 ことなかれは主権損なう - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/451391/

 15日付「主張」。劉暁波氏のノーベル平和賞受賞に関して、菅直人首相が煮え切らない発言を繰り返していたことは批判されるべきですが、《釈放されることが望ましい》と明言した現在までその態度が続いていると判断するのは、おかしくないでしょうか。
 枝野幸男幹事長代理の「悪しき隣人」発言と仙谷氏のフォローについては以前のエントリで触れましたが、産経はあいかわらず枝野氏の発言をまともに受け止めた形跡がありません。あるいはわざとやっているのでしょうか。
 ところで、これはわたしの妄想かもしれないのですが、と、いちおう断っておきます。例の衝突時のビデオは、なぜ公開されないのでしょうか。「中国への過剰な配慮」だと産経などは決めつけていますが、それだけの理由にしては扱いが不自然すぎる気がします。もしそのビデオに、なにかまずいものが映っているとしたらどうでしょう。たとえば、中国漁船側が先に衝突してきたのだとしても、報復的あるいは偶発にせよ、巡視艇側からもぶつかっていく場面が含まれていたとしたら、どうでしょうか。そんな映像を公開すれば、中国政府当局はそこだけ切り出して国内で公開するかもしれません。逆に、日本政府がその場面だけカットして公開してしまうと、後で困ることになりかねません。また、菅直人首相がビデオを実際に見ていないと答弁したことが問題視されていますが、「やばい内容だ」と知らされていれば実際に見る必要はないでしょうし、見てしまった上で隠していたら、これも後日の問題になり得るわけです。

産経抄】10月15日 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/451390/

 まあ、「弱腰外交」に対する表現としては《柳腰外交》より「二枚腰外交」あたりの方が適切だろうとは思いますが、《奇妙な日本語の独り歩き》とまで言うようなことでしょうかね。まず自らの紙面を振り返ってほしいところです。
 いくら仙谷由人官房長官から名指しで批判された恨みがあるとはいえ、《卑怯な振る舞い》とか《愚民の戯言と嗤う》とか、ずいぶん口汚い罵り言葉を使うものです(そもそも仙谷氏が「愚民の戯言」なんて発言をしているのでしょうか)。これは、かつて朝日新聞に喧嘩を売ってアクセス数を集めたことに味を占めて、内閣官房長官をわざと挑発していると見てもいいのでしょうかね。やめた方がいいと思うのですが、まあそのへんは自己責任ですか。
 日露戦争からポーツマス条約締結、日比谷焼き打ち事件と、政府が真実を隠したためにかえって国民の怒りが政府に向いたわけですが、産経がそれを強調するのは、当時の再現を願ってでもいるのでしょうか。すでに官邸周辺を訪朝 包丁*1がうろついたり、今日はこんな事件も明らかになっているのですが。

中国大使館にライフル実弾? 「抗議」の手紙も同封、脅迫容疑で捜査 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/event/crime/451552/

*1:コメント欄でのpipisanさんのご指摘により修正。ちなみに事件の記事は http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/diplomacy/444144/