産経の恣意的な引用がまた明らかに。他。
産経新聞を読む時は眉に唾をつけるべき - 法華狼の日記
http://d.hatena.ne.jp/hokke-ookami/20100921/1285083758
まずは他人様のネタのいただきから。法華狼さんはニコラス・クリストフ記者(ピュリッツァー賞2回受賞)と同じく、たいへん慎重な言い回しをされる方です。この点、わたしもいつも見習わねばと思ってはいるのですが、こういう場合は乱暴に「いやいや法華狼さん。そこは『産経の恣意的な引用がまた明らかになった』と断言しちゃっていいと思いますよ」とか言ってしまうわけです。
【40×40】潮匡人 見かけ倒しの改造内閣 - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/100923/plc1009230838005-n1.htm
当然ながら例の件について。その前にまず、《第1次菅内閣》とかいう表現を産経新聞校閲部はきちんと修正するべきでしょう。菅直人氏はまだ1回しか首班指名されていません。前身コラムの時代には呉智英氏が執筆していたので産経校閲部は手を出しにくかったかもしれませんが、今の【40×40】は潮氏が重鎮であとは宮嶋茂樹氏に河添恵子氏という有様なのですから、注意のうえにも注意が必要です。しかしいまさらながら、誰だよこんな人選したのは……。
他にもいろいろひどい発言があるのですが(たいていは産経で記事になっているのがまたお笑いですが)、《私が総理なら、民間から「救う会」関係者を起用する》とまで言われてしまうと、もう乾いた笑い声を上げざるを得ません。せめて家族会ならまだ話はわかるのですが、なぜ巣食う会からですか*1。さらに《少なくとも北朝鮮と懇意にしていた人物は閣僚に指名しない》そうですが、話し合いも情報収集もする気がない人物を担当相に据えて、そんなに拉致問題を停滞させたいのでしょうか。真似して言うなら、わたしが総理大臣になったら(というか鳩山内閣・菅内閣にそれぞれ少しは期待していたのですが)、田中均・元外務省アジア大洋州局長など、北朝鮮にきちんとパイプを持って交渉できる人物を、閣僚とは言わずとも首相補佐官あたりに起用するのですが。拉致問題で唯一成果を挙げた外交官を国賊扱いする人々が、二度と日本国の政権に就かないでくれと祈るばかりです。
【産経抄】9月23日 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/443135/
伊藤栄樹・元検事総長が今回の事件を知れば、それは嘆くことでしょう。《巨悪を眠らせるな、被害者と共に泣け、国民に嘘をつくな》の言葉で有名な伊藤ですが、一方であの花岡信昭記者と懇意でもあったようで(via Wikipedia:伊藤栄樹)、そう聞いたとたんに信用できなくなります。
《巨悪を眠らせない》はいいのですが、それが「大物政治家は片っ端から(疑うだけでなく)捕まえてしまえ」になっているのではないか、ということが、現在の検察に対する最大の危惧です。少なくともそれは、伊藤の志には反することでしょう。また、検察が恣意的な捜査に動くとき、その方向は、民主党だ小沢氏だ石井氏だ、自民党なら田中派だとかではなく、すべて自民党清和会に有利なように働いているようだ、ということを、たしかkamayanさんが指摘されていたと思います。「清和会」で区切っていいのかは、花岡氏あたりに聞いてみた方がいいかもしれません。