黙然日記(廃墟)

はてなダイアリー・黙然日記のミラーです。更新はありません。

産経あびるんの仰天記事。

仰天人事、岡崎国家公安委員長 反日デモに参加、在日朝鮮人から献金… - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/441503/

 話題沸騰の、阿比留瑠比記者による18日付記事です。まず、周辺の状況を眺めてみましょう。

改造内閣 国策の空白、早急に埋めよ - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/441522/

反日政治家が日本の国家公安委員長に!! - ステージ風発:イザ!
http://komoriy.iza.ne.jp/blog/entry/1802640/

 同日「主張」も(とってつけたような形ですが)わざわざ言及し、古森義久編集特別委員もブログで嬉々として取り上げ、産経全体で千葉景子前法相に次ぐ(あるいはそれ以上の)攻撃目標にしようという気満々ですね。昨日の呼び捨て記事は、どうやら間違いではなかったようですね(まだ直っていないどころか、iza!では関連記事としてそのままリンクされています)。
 
 阿比留記事に戻ります。まずいきなり《首相経験者の一人は「仰天した」という》などと書かれていて、笑わせてくれます。NHK圧力事件からサプライズ辞任まで、あなたの《過去の“特異な”言動》の方が、いろいろと仰天させてくれたんですけど。あ、いや、あくまで匿名の《首相経験者の一人》であって、安倍晋三氏とは限らないですけどね。
 その《“特異な”》とする言動の筆頭が、慰安婦問題に関する韓国での抗議デモに参加したことだそうです。日本政府への抗議を、国会議員なら別の方法で行うべきではないかとは思いますが(もちろんそれにも取り組んでいるはずですが)、抗議運動の盛り上げのためなら有効な手段の一つではあるでしょう。
 「外国人犯罪の増加」という報道などに対する見解も、それほどおかしなものとは思えません。そもそも「外国人の犯罪」とされるものの多くが旅券法違反などで、日本人が日本国内で犯しようのない罪だということも指摘されねばならないでしょう。この点について、阿比留記事は《独特の見解》と表現して攻撃したつもりになっているようですが、具体的な指摘はできていません。あるいは、独特な視点を持つことは許されない、とでも言いたいのでしょうか。
 政治家が外国籍の人から献金を受けることは明確な法律違反ですから、いかに事後処理が済んでいるとはいえ、岡崎氏があらためて反省すべき点ではあります。もっとも、在日コリアンの中には「外国人」という意識があまりない人もいるので、実態はどうだったのかという疑問もあります。また、問題となった寄付の時期は2001年で、拉致問題の存在が確定する前の話です。なお、上記「主張」はこの寄付の違法性だけを指摘しており、阿比留記者が他に問題視している部分には触れていません。最低限、その程度の理性はあったのか。
 阿比留記者も古森記者も、岡崎氏の慰安婦問題への取り組みを特に重視しているようですが、それが国家公安委員長の役職と、どう関係するのでしょうか。むしろ、慰安婦問題への抗議デモに暴力的な抗議を仕掛ける在特会のような団体をきちんと取り締まってくれるなら、これはたいへん望ましい人事ではないかと思いますが。