黙然日記(廃墟)

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産経抄のノーガード戦法。

産経抄】8月30日 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/433777/

 なんだか引っかかる記述が多いので、部分引用+ツッコミの形式でいきます(slapnuts2004さんの真似)。
 「読んで驚いた」。なにに驚いたのか、文意が不明です。昨日はわたしが読売の社説を読んで、その認めるべきは認める姿勢に驚きましたが、抄子がいまさら「植民地朝鮮で日本はよいこともした」論を読んで驚くわけはないですよね。それを朝鮮出身者が日本語で書いたことに驚いたとしても、植民地時代を懐かしみ肯定する人が一部にいることも、特に驚く話ではありません。
 「日本人の歯医者さんは、子供にも丁寧(ていねい)に接してくれた」。子供に泣かれると歯医者さんは仕事になりませんから、泣かせないように工夫するのが名歯科医です。「植民地時代は警官や憲兵が怖かった」という話はいくらでもありますが(それも職務として市民を弾圧していた側面が大きいのですが)、日本から来ていた民間人が市井の現場でみんな鬼のようだった、なんて話は聞いたことがありません。
 「統治後期には独立の動きもなかった」。この時期、日本内地でも反政府運動はほとんどありませんでしたからね。「独立運動が(表立っては)なかった」ことと「弾圧があった」ことは両立し得るので、独立運動の有無を持って弾圧の有無を類推することはできません。
 「国と文化を奪われ〔中略・〜という〕菅談話とは、ほど遠い内容だ」。朝鮮出身者が当時の回想を日本語で書いていること自体、「文化を奪われ」た証拠ではないのですか? 朴賛雄氏の経歴も不明ですが、なぜカナダで晩年を送っていたのでしょうか。
 2005年と2009年に植民地時代を(あるていど)肯定的に評価した二人の学者が、韓国内で叩かれたり叩かれなかったりしたエピソードを紹介しているのが、意図不明です。この4年の間に世論の雰囲気が変わる理由があったと言いたいのでしょうか。
 「韓国民が反日に血道をあげ、自らの暴政に関心を示さない状況」って、なんのことだか本気でわかりません。軍事政権時代のことか、今の李明博政権が軍事政権並みだという意味なのか、いずれにしても解釈に苦しみます。「暴政」って、かなりきつい言葉だと思うのですが、いったいなんのつもりなのでしょうか。