黙然日記(廃墟)

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産経抄の赤と黒。他。

首相・幕僚長会合 安保戦略構築につなげよ - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/430535/

 21日付「主張」。今回の、首相と制服組トップとのミーティングについての批評は、まあともかくとしましょう。幕僚長ことに空幕長については、直接面談してどういう人物かしっかり見極めておいてほしいものですが、その辺は大丈夫だったのでしょうか。そして産経は、これを機会に「安倍晋三政権下で打ち出された日本版国家安全保障会議(NSC)構想」とか未だに言っているところが、なにやら物哀しさを感じさせます。NSC構想は福田内閣つまり自公政権下で見送られたというのに、今回はさらに「首相官邸に制服組OBの補佐官を常駐させることも検討していい」とか、そもそも幕僚長との会合は橋本元首相が熱心だったけれど、その後は絶えている、つまり安倍元首相もやっていなかったことなんじゃ? とか、いう疑問も沸いてくるのですが、最初に指摘したように安倍首相が各幕僚長と面談して人物を見極めていれば、田母神元空幕長がどういう人物かも早くから明らかになっていたのでは、と悔やまざるを得ません。安倍氏が田母神氏を異様に持ち上げる形でだったろう、とも思いますが(田母神氏の空幕長就任は2007年3月、安倍政権下)。

産経抄】8月21日 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/430533/

 今回の民主党代表選挙を、スタンダールの小説を拝借して『赤と黒』、すなわち「赤」=共産主義者菅直人氏と「黒」=有罪者=小沢一郎氏との争いと表している民主党内の声があるそうですが、いったい誰なのやら。その共産主義者とか有罪とかの説明が、異様に腰が引けていて、笑えるというかなんちゅうチキンというか。
 もともとの『赤と黒』は、赤い軍服(ナポレオンとかですね)を着るか黒い僧服を着るかによって社会的にのし上がろうとする若者を通して権力の恐ろしさを描いた作品ですが、あらためて考えてみると軍事と宗教は現代日本では対立物ではなく、一定の勢力に密着して後援しているような存在だと、いまさら言っておきましょうか。代表戦に他の色がほしいと嘆いてみせる「産経抄」は、それにしてもたまには赤と黒以外の色のことを考えたことがあるんでしょうか。自分たちの赤っ恥と黒歴史だけは忘れているようですけれど。