黙然日記(廃墟)

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産経「主張」の独占観。他。

ヤフーとグーグル 情報「独占」に懸念と注視 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/423077/

 2日付「主張」です。産経の主張がMSNと一致している件については先日のエントリ*1でも触れたというかおちょくったので、それ以外について。
 産経はやたら競争原理がお好きなようで、ならば新聞業界で、というのはさておき、少なくともYahoo!との提携以前にGoogleがなにか汚いことをして独占的なシェアをつかんだわけではありません。最も詳細で正確(と思われる)検索結果を使いやすいインターフェイスで提供し、それがユーザから圧倒的な支持を得ただけでしょう。まさしく競争原理の結果であって、そこに文句をつけるのはおかしいでしょう。また、現在のYahoo!JAPANが検索で握っているシェアは、実はポータルサイトとしてのシェアの結果であって、たいていのユーザは「Yahoo!を開きっぱなしにしているからその検索窓で検索する」というだけでしょう。検索エンジンとしての努力でシェアをつかんだとは言い難いものがあります。Google登場以前の状況では、Yahoo!は比較としてもっとも正確で使いやすい検索エンジンだったので、ポータルとしての地位を確立した過程にはそうした努力もあったのですが。ともあれ、すでに事実上“検索に関しては”独占状態が生じていて、それがどう見ても正当な競争の結果であるのに、競争原理至上主義をいつも振りかざしている産経が文句を言うのはおかしいですよね? 
 ただ、「主張」の危惧に一理ないわけではありません。検索結果の寡占化によってなにが起きるかというと、えーと、これはあくまで仮定の話ですが、特定の国会議員について本人に不利な情報、たとえばカルト宗教の関わりを調べようとしたときに、関連の情報源がすべてGoogle八分にされていると、実際には該当のページが存在していても、検索結果には削除痕しか出てこないわけです。「Googleで出てこないものはネット上に存在しない」という言い方がありますが(これは「この店にないものはない」と同じく、ダブルミーニングによるジョークでもありますが)、Google以外の検索ソースがなくなるのは、困ったことになりかねません。ただ、実用的な検索エンジンはどのみち両手の指で数えられるていどしかないので、それらすべてから特定の検索結果を削除されてしまう可能性はあります。そうした点も含めて、検索サービスの信頼性については監視が必要でしょう。

国学力テスト 全員参加に戻し競い合え - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/423080/

 同じく「主張」。これはもう予想どおり、「全数調査! 全数調査!」とわめくだけで、その根拠が競争原理と「日教組が全数調査に反対しているからウチは賛成」という以外に見あたらないという情けなさです。