黙然日記(廃墟)

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産経抄の「社会」観。他。

産経抄】7月28日 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/421078/

 産経にとってもっとも憎い政党はおそらく日本共産党、次いで民主党社会民主党の順だろうと推測しています。反共を明言していた産経にとっての共産党は別格として、政策面でも政権争奪においても最大の仇敵である民主党と、影響力は少なくいまや連立与党でもないながら社会民主主義を掲げる社民党のどちらが憎いかは、微妙かもしれません。なお、産経用語で「社会主義」とは「決して存在が許されない絶対悪」を意味します。国家社会主義社会民主主義の区別も存在せず、社民主義ファシズムと同一視して攻撃しますが、自分たちの主張は国家社会主義には相当しないという勝手な前提もあります。
 そんな「産経抄」にとって、社民党の内紛は極上の御馳走なのでしょうが、その社民党を離れる辻本清美氏を相対的に持ち上げたいところなのに、与党陣営入りつまり民主党に与するのが確実視される人を褒めちぎるわけにもいかず、嫌味の垂れ流しぐらいしかすることがないようなのは、けっこう情けないですね。
 産経が共産党と同じぐらい憎んでいそうなのが旧・日本社会党で、民主党がその流れをくんでいることを強調すれば民主党への攻撃になると思っているらしいあたりに同人紙くささを感じざるを得ません。

【水 異変】(1)狙われる水源地 「聖地」に伸びる中国の触手 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/natnews/topics/420447/

【水 異変】狙われる水源地(2)外資進出、見えぬ実態 中国人視察団が日本縦断 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/natnews/topics/421028/

 26日付から、またこういう暑っ苦しい企画記事を始めたようです。いくら産経が中国人をモンスター扱いしたくても、人間に触手はありませんから。「食指(人差し指)を伸ばす」か、「魔手を伸ばす」か、どちらかしかできません*1
 
 以下、一般記事から。

米MS、日本のヤフーとグーグルの提携に「検索を支配」と反対声明 - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/economy/business/100728/biz1007280900004-n1.htm

 あえてMSNの記事を(笑)。「PC用OSやオフィススイートを支配」という声明は出さないんでしょうかね。この記事にはなぜか書いてありませんが、日本市場におけるYahoo!Googleのシェアを合計すると98%になるそうで、MSNの日本におけるシェアは2%以下ということですね。検索エンジンとしての機能もそうですが(記事検索でよく使うわけですが、同じ記事が2個並んで出ててきたり、結果が見づらくてしかたないですよ)、ポータルサイトとして魅力がないということもあるのではないでしょうか。特にニュース配信とかニュース配信とかが。

児童虐待過去最多の4万4210件 強制立ち入りは1件のみ 厚労省 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/event/crime/421303/

強制立ち入り1件 「伝家の宝刀」運用に躊躇 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/event/crime/421504/

 2009年度の統計速報が各紙で報じられていますが、産経は強制立ち入り調査にばかり目が向いているようですね。関連記事がいくつか続くので、紙面では大きな扱いになりそうですが、上の記事がトップ、下の記事と他2件、死亡した被害者は0歳児が多いことと19年連続増加していることが並ぶ形になりそうですが、どうも関心のあり方が偏っているような気がします。
 ところで、これはとりあえず産経記事と直接は関係ないのですが、虐待件数そのものが増えていると同時に、児童虐待への認識が広まり認知・通報が増えていることと、「保護者が児童を虐待して生涯・志望に至ったカズ」の名香には、無理心中と昔ながらの嬰児殺しが含まれていることに、注意を払っておく必要があります。2008年度の統計では、虐待死と分類される128人のうち61人は心中によるもの、16人は生まれたその日に殺されています*2。こうした行為も「虐待」には違いないのですが、この統計での128人という数字をそのまま、典型的な虐待の被害者数とみなして社会的風潮を論じるような傾向が現れないかどうかについては、気をつけておく必要があるでしょう。

*1:「魔手」という物理的なものも人間は持っていませんが、意図によってこのように表現されるものです。

*2:……書いていてつらいですね。