産経「主張」の救出観。他。
金元工作員離日 被害者救出に国の総力を - イザ！
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/419887/
朝鮮半島有事における邦人救出に備えるためにも、菅直人政権は拉致被害者や特定失踪者に関する情報収集を急ぐべきだ。
25日「主張」ですが、ちょ、ちょっと待って。どびっくり。20日付*1で言っていた「邦人救出」って、韓国に普通に滞在する日本人ではなく（それも含むのだとしても）、北朝鮮にいる拉致被害者を有事のどさくさに救出するという話だったんですか!!!? それなんてチョップリフター？ 信じられん。ヒーロー妄想もここまで来ると手がつけられません。
関係ないですが、金賢姫氏の訪日にチャーター機を用意したことに対する批判があるようです。では、民間便を使えばよかったのでしょうか。頭でわかっていても感情として、彼女と同じ飛行機にわたしは乗りたくないんですが。
【産経抄】７月２５日 - イザ！
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/419877/
「産経抄」もこの話題でした。昨日の話とかぶってしまいますが、政治家の自己顕示欲という話をするときは、小沢一郎氏の存在を都合よく忘れていますよね。「拉致問題に冷たいという声もある民主党政権」って、他人事のように言っていますが、それで叩いてた筆頭が産経でしょう。菅政権発足時、辛光洙助命嘆願がどうとか紙面に載せてたのは産経ぐらいじゃないですか？
金氏招待そのものは無理にでも高く評価しつつ、それを実現した政府の動きをパフォーマンスと非難する曲芸をやりたいようですが、ここで糾弾されている不必要に目立とうとした政治家ってのは、具体的に誰なんでしょう。名前もヒントも挙げられていませんが、まず考えられるのは、今回もっとも目立っていた中井洽拉致問題担当大臣（民社協会・拉致議連所属）でしょうか。それとも、金氏に面会した数少ない政治家である平沼赳夫拉致議連会長（たちあがれ日本代表・創生「日本」最高顧問）でしょうか。あるいは、政治家ではありませんが巣食う会 救う会・家族会の関係者でしょうか？ 今回関わった政治家は他に、別荘を貸した鳩山由紀夫氏がいますが、なにか得をしたとも思えません。あとは内閣代表としての菅首相ぐらいしかおらず、おそらく「産経抄」はここを目標にしているのでしょうが、これはブーメラン、というか、友軍を思いっきり後ろから誤射しているようにしか見えませんね。
国際組織「日本は自国解釈のみ反映」 歴史教科書“一方的”勧告 - イザ！
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/natnews/education/419943/
Gazing at the Celestial Blue 下請け機関らしい
http://azuryblue.blog72.fc2.com/blog-entry-890.html
碧猫さんからトラックバックをいただき、面白い記事の存在を知りました。ほとんどの部分に関して碧猫さんがツッコミ済みなので、こぼれ球を拾ってみます。
「同委員会委員は条約締約国の選挙で選ばれ、学識経験者や「人権の専門家」ら１８人で構成されている」のところ、「人権の専門家」にカギ括弧を付けているのは、なんなんでしょうね。産経の記者や読者は「人権」という言葉がお嫌いのようなので（そのわりに自分の権利はひたすら主張するのですが）、ここを強調することでなにかマイナスイメージをつけられるという判断からでしょうか。国連関連の“国際組織”による各国政府への勧告には、その政府の主張だけでなく、非政府の団体つまりNGOの意見を参考にすることが多いようです。これは公正な姿勢だと思うのですが、NGOの意見が採り入れられること自体を問題視するような報道でいいのでしょうか。
あと、これは直接的なツッコミではないのですが、最近産経とつくる会は仲がいいみたいですね。2007年のつくる会分裂騒動以後、教科書改善の会側についた産経とは訴訟沙汰も含めてかなり険悪だったと思うのですが、喉元過ぎて熱さを忘れてしまったのか、“保守の団結”による和解なのか、単に屋山太郎氏や八木秀次氏ら改善の会側の力が衰えたためなのか、気になるところです。
ひとつだけ碧猫さんに対してもツッコんでおくと、産経新聞はつくる会の下請広報機関じゃないですよ。堂々たる共同経営者です（分裂騒動までは・笑）。産経が「つくる会教科書を実際に出版する」と言い出さなければ、もしかしたら“国際組織”からこんな勧告を受けることもなかったわけで。
*1: d:id:pr3:20100720:1279638033 参照。たしかに該当「主張」の中でも拉致被害者に言及してはいますが、まさか本気だったとは。
