黙然日記(廃墟)

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産経「主張」、タコに劣る。他。

産経抄】7月14日 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/415500/

 そんなわけで、タコの知的能力(の一部)は人間以上だと抄子も認めているので、シー・シェパードはタコ保護運動に乗り出すべきだと思います*1。いちおう自慢しておくと、わたしは日本のグループリーグ突破はかなり可能性が高いと予想していました、スペインかオランダの優勝もそれぞれ可能性が高いと思っていましたよ(どちらかというとこれは希望的観測ですが)。アルゼンチンはもっといくだろうとも思っていたし、民主党のここまでの大敗はまったく予想していませんでしたけれど。
 で、パウルくんの「予知」は256分の1の確率に過ぎないとか、スペインとドイツの国旗のパターンを好むだけではないかという推定もされているのですが、報道機関の選挙予測がそれと同レベルまたは同レベル以下では困ります。事前予測ではアナウンス効果があり、そうでなくてもマスコミ各社が消費税増税「だけ」をあまりに強調する選挙戦になったことで有権者のマインドが日一日と変わっていったのは事実でしょうが、投票日当日まで時間が経つにつれて野党への投票が増えたというのは、どのへんが根拠なのでしょうか。出口調査の時間帯別の結果は、特に公表されていませんが新聞社内では見ることができるでしょうから、そのあたりからでしょうか。しかし、有権者数の3分の1を占める(ただし特に参院選地方区では、一票の格差の被害をもっとも強く受けている)首都圏では、「午後まで天気は保つが夕方から雨」という天気予報がありこれはほぼ的中していて、午後までに投票した人が例年より多く夕方は低調でした。誤差のレベルかもしれませんし、いずれにしろ大勢を左右した一任区の話ではありませんが。とにかくその、投開票日当日まで時間経過とともに与党の指示が下がっていったとしても、20時の投票締切・出口調査終了以後にまで影響を与えたわけではありません。

W杯閉幕 南半球の可能性を広げた - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/415484/
 南アフリカは冬だった。この当たり前のことが、テレビ画面を通じて強く印象づけられた。それは、いずれの試合でも選手たちの疲労が少なく、最後まで運動量が落ちなかったことで証明されている。

 14日付「主張」が「証明された」という「それ」って、なに? 「印象づけられた」ことは証明がどうのこうのという話ではありません。ということは、「南アは冬だったと証明された」のでしょうかね。サッカーは本来冬のスポーツであることをふまえて、南半球での開催に意味を見いだしているのは同意しますが、じゃあ日本が再びワールドカップ招致を計画して、このモンスーン地帯の夏期・雨期に開催しようとしていることとか*2、2020年夏季五輪招致を性懲りもなく企んでいるとか(まさかまた8月開催案ではないでしょうね)、産経的にはどう考えているのでしょうか。
 開催前、南アフリカ共和国の治安についてさかんに警戒していたのは産経も同じですが、「そこに偏見はなかったか」というのは、自分たちが偏見を持っていたと認めているんでしょうか。レイシズム発言連発の産経にしては、よく自省していると褒めてあげたいところです。

税制抜本改革 首相は議論後退させるな - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/415485/

 同じく「主張」。菅政権、というより民主党連立政権は最初から、税制全体の抜本的見直しを提言していたのに、そのうち消費税の部分だけが取り上げられ争点ということにされてしまいました。経緯はともかく、その消費税に関して有権者がノーを突きつけたと解釈できる結果になりましたから、消費税に関する論議、ひいては税制全体の論議が停滞するのは、当然にしてやむを得ない話です。まさか、こうなると予測もできずに「消費税が争点」と騒いでいたのでしょうか。タコ以下です。本当に消費税引き上げを望んでいるなら、その方針を掲げる政権をアシストするべく争点隠しをする方が、行動としては合理的です(倫理的には大いに問題がありますが、産経に報道倫理は期待していません)。やっていることが矛盾だらけで、頭が悪いにもほどがあります。
 そもそも産経は、なんのために国政選挙というものがあると思っているのでしょうか。「一度政権を握ってしまえば、国民世論を無視して強権的に増税でもなんでもやってしまえ」というのが、産経の国政運営に対する認識なんでしょうかね。

*1:念のため、皮肉です。ついでに、タコをよく食べるスペインの優勝を当てたのも皮肉な話だとか、やはりよく食べるスペインとギリシアと日本がいずれも財政危機に陥っているのはタコの呪いだとか、パウルくんがもっと早くから話題になっていたら7月2日の半夏生は盛り上がったかもしれないとか、勝手なことを言ってみます。

*2:つか、2002はこの気候の中でよくやったものだと思います。東アジアでの開催に意味がなかったとは言いませんが。