黙然日記(廃墟)

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産経抄の中継観。

産経抄】7月8日 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/413033/

 大相撲名古屋場所中継中止に関して、中継が始まったときの優勝力士である時津山の、エピソードを紹介しています。エピソードそのものはいい話です。生き別れの母に、テレビ中継で自分が元気に活躍する姿を見せたかった時津山、あるいは現代の外国人力士もそうなのではないか(しかしは、ハワイはともかくモンゴルやブルガリアNHKのテレビ中継って見られるんですか?)、と、なんの背景もなくこれだけ読めば、ほろりとくる人もいるでしょう。なんの背景もなければ。
 名古屋場所と聞くとわたしたちはすでに、暴力団関係者が(刑務所の塀の内外で)生き別れになった親分に元気な姿を見せようとした事件を思い出さざるを得ません。NHKの判断も、野球賭博事件以外にこの事件も踏まえてのことでしょう。そういえば彼らは疑似親子関係で結束を保っているんだっけ、とか、そうか、角界も「親」方と弟「子」の関係だったなとか、よけいなことも思い出してしまいます。せっかくのいいエピソードが、これでは台無しです。もうちょっと、何とかならなかったものでしょうか。あえて暴力団関係者の事件に言及して、時津山はそれとは違うよ、と明記するとか、いろいろと方法はあったはずです。