黙然日記(廃墟)

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産経抄、「勝ち組」を極める。他。

産経抄】6月24日 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/407397/
 ▼「勝ち組」「負け組」という言葉が、堂々と語られるようになってからは、他人の「幸せ」を妬(ねた)む風潮がますます強まっているような気がする。

 途中まではわりとまともかと思っていたのですが、最終段落でこれです。暴力、ことに無差別殺傷が絶対に許されないのは当然ですが、これはそういう問題以前の認識でしょう。産経が信奉する新自由主義の立場を肯定するとしても、、成功者の幸せに対する健全な妬みは、「負け組」をはい上がらせる社会の原動力ではないんですか? それを、下に落ちれば一生さらに子々孫々までそのまま、負け組としての仕合わせを知れ、上見て暮らすな下見て暮らせと言ってのける産経論説委員様は、いったいどこから上から目線を下せるほどの「勝ち組」なのでしょうか。

一層の劣化許さぬ選択を 民主の「現実路線」を見極めよ 参院選公示 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/407398/

 24日付「主張」。まあ、自民党に任せておいたら日本は一層劣化するという国民の判断が昨年総選挙で示されたので、今回の参院選民主党に批判を突きつけるとしても、第三極*1または社民・共産に勝たせるかであって、自民党にもう一度入れるという投票洗濯はあり得ないでしょうけれど。
 民主党政権によって日本が劣化していくことは許されず、国民による厳しい監視の目が必要ですが(その監視役となるのがマスメディアであり、現在はそれにネットジャーナリズムも参加していることを確認しておきます)、産経の望む自民党、あるいは第三極の自称保守各党のやり方で、劣化を止められるとはとうてい思えないことだけは断言しておきます。
 あと、はやぶさ関連で出鱈目を書くのは、もう本当にいいかげんにしてくれませんか。後継機の予算が5億円から5千万円に縮減されたのは、2007年のことです。「消費税増税を否定する公約を反故(ほご)にしたことの説明も不十分だ」という出鱈目については、次の記事をご覧ください。

【単刀直言】枝野幸男民主党幹事長「総選挙まで消費税上げない」 (1/2ページ) - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/election/100623/elc1006231859007-n1.htm

 これは23日付ですね。【単刀直言】欄は政治家インタビューで、いままでは産経に都合のいい政治家(たとえば山谷えり子氏)の広報欄という印象が強かったので、こうして枝野氏が登場しているとびっくりして、思わず取り上げてしまいました。言っている内容は普段の枝野氏の発言とまったく同じなので、少なくとも捏造はしていないでしょう。ただ、たとえば民主党への誤解のくだりなど、勝手に省略されている部分があるのではないかと疑ってしまいます。普通に考えれば疑い過ぎなんでしょうけれど。

*1:といっても、第三極の中で具体的に選択肢に入るのはみんなの党とせいぜいたちあがれ日本ぐらいでしょうが。新党改革の埋没ぶりと、日本創新党の混迷ぶりは、政治ウォッチャーとしてはたいへん楽しめています。