黙然日記(廃墟)

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産経抄、朝の電車で週刊誌を読む。他。

産経抄】6月15日 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/403545/
20年近く前の話だから、今だったら「殺す」の答案は、もっと多いに違いない。若者たちを取り巻く世界が、殺伐の度合いを強めているように思えてならないからだ。

 はいはい俗流若者論。自ら命を絶った少年について語るとき、「思えてならない」だけで話を進めないでください。もし仮に世間が20年前より殺伐としてきたなら、それは、産経が推し進めてきた弱者切り捨ての風潮も一因じゃないですか。
 それと、これはある種の偏見、マンガや文章作家の志望者から映像作家志望者を勝手に同類と見る偏見なのかもしれませんが、とにかく目立ちたい、インパクトのある絵を作りたいと思う映像作家志望者が、重要なコンペ、しかも大学入試という場において、与えられたモチーフからできるだけ予想を裏切るより刺激的な映像のアイディアをひねることは、よくある話ではないかと思います。受験者が、「眠らせる」という単語を常に「殺す」と同義語として受け止めているとは限りません。「眠らせる」をインパクトのある絵に置き換えようと、知恵を絞った結果ではないかと思えます(絞った知恵が浅すぎるとか、安易に殺人を扱う安易なテレビドラマのレベルなんじゃないのとか、そうしたことは批判できますが)。
 しかしなぜ、7日の出来事を1週間以上経ったいまごろ取り上げるのでしょうか。引用されている「AERA」今週号って昨日発売だったんですが、まさか、朝買った週刊誌を見て、そこからネタをいただいたんじゃないでしょうね。朝日新聞出版(元は朝日新聞社)の雑誌であることはともかくとしても。
 ここ数日、まるで普通のコラムみたいなものが続いていた「産経抄」ですが、今日はいきなりこれです。波が激しすぎませんか。

北教組事件判決 組合との癒着は変わらぬ - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/403536/

 15日付「主張」。あいかわらず、主任手当は税金から支払われたからそれを使うのも税金と同じだとか、小学校低学年ぐらいまでにしか通じない論理を振りかざしています。北教組が違法レベルの献金をしていたのは残念なことですが、労働組合が政党を支援すること自体に問題があるとする産経の主張は、いったいなにをほざいているのやら、という感じです。各種の団体が、なんらかの政治的利益を求めて代表者を議会に送り込んだり政策の一致する政党を支援するのは、ものすごく極端な理想論としては禁止した方がいいのかもしれませんが、実際には広く認められている行為です。医師会や郵便局長会、米国ならライフル協会などが行っていることを、労働組合だけ認めないとする理由はなんなのでしょうか。それは、労組弾圧を社是としているらしい産経新聞だけの主張でしょう。
 「特定団体との癒着をなくすことができるか」の「特定」というのは、ネトウヨが好む「特定アジア」と同じニュアンスの言い回しなんでしょうかね。そうではなく、単に「特定の団体」と書いてもいいところなのだったら、これはほぼすべての政党に、特に自由民主党にも、言うべきところでしょうね。