黙然日記(廃墟)

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産経抄の善悪観。他。

産経抄】6月4日 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/399212/

 「政権交代がすなわち善ではない」という指摘は、一般論として正しいものです。鳩山由紀夫氏の新政権に期待をかけてしまったことは、少なくとも結果論としては間違いでありました。では、昨年9月の政権交代をどう評価すべきかといえば、これは現時点でも「善」であったと断言します。鳩山政権、民主党政権がかなりの低水準な代物であるとしても、自民党の永久与党が続くよりずっとマシだったことは確実だからです。これは、自民党だからとか、憲法草案に基本的人権の制限を入れて何とも思わないような政党だからというだけではなく、どんな政党であっても、半永久的に政権の座を保つようになれば必ず堕落するからです。現在の日本国国会でいちばんまともな政党はたぶん日本共産党だと思いますが、共産党永久政権がどうなるかは、ソ連や中国の例を挙げるまでもないでしょう*1

民主党代表選 拙速で政策論争に欠ける - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/399193/

 まあちょっと、わたしもびっくりするぐらい速いペースで新首相が決まってしまいましたが、4日付産経「主張」の見出しはこうでした。辞意表明から代表選まで5日ぐらいでも、この見出しだったでしょうね。そして6日以上かけた場合には、「【主張】 民主党代表選 許されない政治的空白」となっていたことは、ウォッチャーとして断言できます。
 文中では「民主党が抱える本質的な問題」という表現を2回使っていますが、2回目の「権力の二重構造」を、1回目の代表選の議論で討論するというのも、おかしな話です。最後の段落では、マニフェスト作成など重要政策を移行期間に行うのはおかしい、と指摘していますが、最初に言ってることと矛盾していませんか。

『鳩山氏が辞任表明を「ベストスピーチ」と“自画自賛”』というデマ - dj19の日記
http://d.hatena.ne.jp/dj19/20100603/p1

 見落としていた「また産経か」をdj19さんにご教示いただきました。辞意表明スピーチを、鳩山首相(現時点ではすでに前首相ですが)が自画自賛したかのような記事と見出しを垂れ流したけれど、実は別の閣僚による発言を鳩山氏が言ったかのように報じていた、というものです。現在ネット上ではほぼ修正されていますが、誤報段階の記事が2ちゃんねるニュース速報+板に転載されたことでデマが広がっている、というものです。辞意表明スピーチと3日夕方配信された内閣メールマガジン最終号の文章がほぼ同じだったので(ヒヨドリのくだりはありませんでしたが)*2、鳩山氏自身があのスピーチを気に入っていることはたしかだと思いますが。

*1:日本共産党ソビエト共産党中国共産党とは一線を画した独立路線なので、引き合いに出すと怒られるかもしれませんが、一般論としてどんな政党でも独裁が続けば堕落する、というのがこの話の主眼です。

*2:鳩山内閣メールマガジン 第33号 http://www.mmz.kantei.go.jp/jp/m-magazine/backnumber/2010/0603/index.html